Internet Archive(IA)に対する大手出版社4社による著作権侵害訴訟の略式判決で、出版社側が勝訴

2023年3月24日、米国出版協会(AAP)が、Internet Archive(IA)に対する大手出版社4社による著作権侵害訴訟の略式判決で、同日ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所はIA側の要求を却下し、出版社側の勝訴となったことを発表しました。

2020年6月にHachette Book Group・HarperCollins社・Wiley社・Penguin Random House社がIAに対して提訴した訴訟であり、2022年7月に略式判決の要求が原告・被告の両者から提出されていました。

AAPの発表では、出版業界は同裁判所の判決に感謝していること、合法的な電子書籍のライセンスでサービスを提供している公共図書館にも感謝すること等を述べています。また、IAの3月25日付のブログ記事では、同判決が図書館・読者・著者にとって打撃であること、民主主義の国際的繁栄のため本の所有・保存・貸出といった歴史的役割を図書館が維持できるようにするべきであること、上訴すること等を述べています。

Publishers Prevail in Summary Judgement Against Internet Archive for Copyright Infringement(AAP, 2023/3/24)
https://publishers.org/news/publishers-prevail-in-summary-judgement-against-internet-archive-for-copyright-infringement/

The Fight Continues(IA, 2023/3/25)
http://blog.archive.org/2023/03/25/the-fight-continues/

関連:
Hachette Book Group, Inc. v. Internet Archive (1:20-cv-04160)(Court Listener)
https://www.courtlistener.com/docket/17211300/hachette-book-group-inc-v-internet-archive/

参考:
Internet Archive(IA)に対する大手出版社4社による著作権侵害訴訟において、略式判決要求への意見書が提出される [2022年09月07日]
https://current.ndl.go.jp/car/46784

Internet Archive(IA)と大手出版社4社の訴訟において、略式判決の要求が提出される [2022年07月11日]
https://current.ndl.go.jp/car/46470

CA2016 – 動向レビュー:“Controlled Digital Lending”を巡る動向:CDLに羽化した図書館サービス理念と米国出版界の主張 / 山本順一
カレントアウェアネス No.351 2022年03月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2016