2022年3月4日付で、査読付きのオープンアクセス誌“The Journal of eScience Librarianship”の11巻1号に、米国の10大学における研究データ管理(RDM)サービスの概要と図書館員についての調査結果を示した論文“Data Services Librarians’ Responsibilities and Perspectives on Research Data Management”が掲載されています。
同調査では、大学ランキングトップの大学がRDMの需要が多く、他機関が参考にできる経験やリソースを持っていると推測し、US NewsとWorld Reportによる2020年の米国の大学ランキングを元にインタビュー対象を選択しています。インタビューは公立大学トップ10、私立大学トップ10に含まれる大学に所属するデータサービスライブラリアン(data services librarian:DSL)計10人(公立5人、私立5人)に対して実施されました。目的は、職務とRDMに関する考え方について示すことです。
結論の箇所では、活動内容によって様々なDSLのタイプが存在すると述べています。そして、データ検索や利用者教育などの従来の図書館サービスやリソースに密接に関連した業務を行うGeneral DSL、General DSLの業務に加えてRDMに関する研修やデータキュレーションも行うRDM DSL、データ検索に関するレファレンスを行うDiscovery DSLの3タイプに分類しています。そのように職務を明確にすることで、研修や教育などに役立つと述べられています。
Bishop BW; Orehek AM; Eaker C; Smith PL. “Data Services Librarians’ Responsibilities and Perspectives on Research Data Management. Journal of eScience Librarianship”. 2022, 11(1), e1226.
https://doi.org/10.7191/jeslib.2022.1226
参考:
図書館員の研究データ支援への関わりの状況は?ARL加盟館所属のサイエンス・ライブラリアンに対する調査(記事紹介)
Posted 2014年7月25日
https://current.ndl.go.jp/node/26661
北米研究図書館協会(ARL)とカナダ研究図書館協会(CARL)、研究データサービスに関する共同タスクフォースの最終報告書を公開
Posted 2021年7月27日
https://current.ndl.go.jp/node/44486
CA1818 – 研究データ共有時代における図書館の新たな役割:研究データマネジメントとデータキュレーション / 池内有為
カレントアウェアネス No.319 2014年3月20日
https://current.ndl.go.jp/node/33544