2022年3月3日、国際公文書館会議（ICA）が、ロシアの人権団体International Memorialのアーカイブズ・図書館・博物館の閉鎖に反対する声明を発表しました。
International Memorialは、ソビエト連邦時代の政治的弾圧等に関する記憶の保存に取り組んでおり、2021年12月28日にロシアの最高裁判所により閉鎖が決定されました。同団体のアーカイブには、ソビエト連邦時代に弾圧を受けた人々に関するファイル6万件以上、図書館には、ロシア語・ウクライナ語・ベラルーシ語・英語・ドイツ語等の書籍4万点以上、博物館には元囚人や親族から寄贈を受けた収容所生活の物品等が保存されているとあります。
声明の中で、ICAはロシアの最高裁判所による決定への懸念を示し、アーカイブズの保護とアクセスの保障をロシア政府に対して求めています。
All ICA News（ICA）
https://www.ica.org/en/all-ica-news
※2022年3月3日付で“Statement of the International Council on Archives on the Situtation of the Archives of International Memorial”が掲載されています。
Statement of the International Council on Archives on the Situtation of the Archives of International Memorial（ICA）
https://www.ica.org/en/statement-of-the-international-council-on-archives-on-the-situtation-of-the-archives-of
参考
アイビー・プラス図書館連合（Ivy Plus Libraries Confederation）、東欧及び旧ソビエト連邦地域のウェブサイトを収集したウェブアーカイブを公開（米国）
Posted 2019年5月8日
https://current.ndl.go.jp/node/38118
ロシア連邦公文書館、スターリンやソビエト連邦共産党の文書資料等を提供する「ソビエト時代の文書」ウェブサイトを公開
Posted 2013年6月14日
https://current.ndl.go.jp/node/23715
CA678 – ソ連における資料保存の課題から / 篠原ミカ
カレントアウェアネス
No.131 1990.07.20 CA678
https://current.ndl.go.jp/ca678
