2023年4月28日、国際公文書館会議(ICA)が、アーカイブズとトラウマに関する報告書“Understanding the international landscape of trauma and archives”を公開したことを発表しました。
報告書は、アーカイブズとトラウマに関する国際的な知見を得ることを目的として2022年9月から10月にかけて実施された調査に基づくものです。調査は英語、フランス語、スペイン語で実施され、100か国以上から1,138の回答があったとあります。近年、アーカイブズの利用者と職員の両方が経験したトラウマの問題についての認識が高まりつつあるとし、アーカイブズに携わる人がこうしたトラウマを理解することで、トラウマに配慮したアプローチへ移行していくことができるとしています。
報告書では、トラウマに関する認識、経験や、必要とされる訓練や対応策等についての調査結果が述べられています。すべてのアーカイブ専門家がアーカイブズにおけるトラウマの可能性を認識する必要があるとし、提言として、トラウマ・トラウマに配慮した実践(trauma-informed practice)・代理トラウマ(vicarious trauma)に関する認識を向上させることや、それらををアーカイブ教育プログラムに組み込むこと等を挙げています。
なお、報告書は、英語以外にフランス語、スペイン語でも公開されています。
ALL ICA News
https://www.ica.org/en/all-ica-news
※2023年4月28日付のNewsに“Report: Understanding the international landscape of trauma and archives”とあります。
Report: Understanding the international landscape of trauma and archives(ICA)
https://www.ica.org/en/report-understanding-the-international-landscape-of-trauma-and-archives
Report: Understanding the international landscape of trauma and archives [PDF:25ページ]
https://www.ica.org/sites/default/files/trauma_and_archives_survey_initial_report_eng.pdf
参考:
E2586 – 図書館の展示における表現に関するガイドライン(米国)
カレントアウェアネス-E [No.454 2023.03.23]
https://current.ndl.go.jp/e2586