2021年9月28日、オープンアクセス出版社・PLOSは、他の国やコミュニティに赴いて行われた研究に関し、研究報告の透明性を高めるために新たなポリシー“Best Practices in Research Reporting”を発表しました。出版に公平性をもたらすことを目的とした取組であり、PLOSの全学術誌に適用されます。
発表の冒頭では、研究者が資源の乏しいコミュニティに赴き、研究を行って帰る“parachute research”と呼ばれる慣習とその問題点について触れています。しばしば見られる問題点として、研究対象のコミュニティに対する理解や、コミュニティによる関与の乏しさ、現地の参加者にもたらされる直接的利益の少なさを挙げています。
同ポリシーではこの“parachute research”への対処が行われています。具体的には、研究報告の著者に対し、グローバルな研究における包摂性に特有の倫理的・文化的・科学的な考慮事項を概説するアンケートへの回答を求めることがある旨が示されています。このアンケートでは、著者リストに現地の著者が含まれない研究報告に関し、その理由の確認も行っています。
アンケートで収集した情報は査読時に編集者・査読者に提供され、実験倫理や研究の完全性に関する同誌の基準を満たしているかどうかの評価に活用されます。また、グローバルな研究の透明性向上に資するため、アンケートはサポート情報(Supporting Information file)として論文に含められます。
Announcing a new PLOS policy on inclusion in global research(The Official PLOS Blog, 2021/9/28)
https://theplosblog.plos.org/2021/09/announcing-a-new-plos-policy-on-inclusion-in-global-research/
Best Practices in Research Reporting(PLOS ONE)
https://journals.plos.org/plosone/s/best-practices-in-research-reporting