2021年8月17日、英国国立公文書館(TNA)は、同年2月から同国の国防省の1,000万人弱の人事記録を受け入れ始めたことを発表しました。対象は海軍・陸軍・空軍に所属した生年が1939年以前の兵士で、第1次世界大戦に従軍した兵士50万人と第2次世界大戦時に従軍していた兵士の大部分の人事記録が含まれます。資料の移送は今後6年間の間に数回に分けて行われる予定です。
同館は、これらの資料へ軍事史の研究者や家系図の調査でできるだけ早くアクセスできるようになることを望んでいることは認識していると述べながらも、オンラインあるいは同館内で閲覧できるようにするためには、記録を劣化や損傷から保護するためのアーカイブボックスへの収納や、検索可能にするための目録作成といった、多くの作業を行うために時間がかかると説明しています。
なお、人事記録には医療情報など個人情報が含まれるため、生年月日から115年後までは非公開とされます。その他、関連するデータ保護や情報公開に関する法律にも基づいて公開するか一部公開にするか非公開にするかが判断されます。
今後、同館のソーシャルメディアプラットフォームから、移送作業の進捗状況とTNAの閲覧室で利用可能になる時期について案内される予定です。
MOD Records Project(TNA,2021/8/17)
https://livelb.nationalarchives.gov.uk/about/news/mod-records-project/
参考:
英国国立公文書館、Findmypast.co.uk、1899年から1939年の英国空軍兵士等の記録を公開
Posted 2014年7月2日
https://current.ndl.go.jp/node/26482
英国国立公文書館が、戦前の海軍の下士官の軍役記録をデジタル化して有料で公開
Posted 2015年8月31日
https://current.ndl.go.jp/node/29306
英国国立公文書館、第二次世界大戦の捕虜の記録をオンラインで公開
Posted 2015年9月17日
https://current.ndl.go.jp/node/29453