米・イリノイ大学が主導する助成プロジェクト““Email Archives”の第1期採択プロジェクトが発表される:図書館等の機関が電子メールを歴史記録として収集・保存する能力の構築に関するプロジェクト

2021年4月17日、米・イリノイ大学図書館は、同大学がAndrew W. Mellon財団の支援を受けて実施している4年間の助成プロジェクト“Email Archives: Building Capacity and Community”(EA:BCC)について、第1期採択プロジェクトのリストを公表しています。

同プロジェクトは、図書館・博物館・文書館における、電子メールを歴史記録として収集・保存する能力の構築を目指しています。2期に分けての採択プロジェクト選定が予定されており、採択されたプロジェクトには2万5,000ドルから10万ドルまでの助成金が授与されます。今回発表された第1期採択プロジェクト(計5件)の内容は次のとおりです。

・電子メールアーカイブソフトウェアePADDへの、電子メール長期保存機能の実装(担当機関:米・ハーバード大学、助成金額:10万ドル)
・BagItに基づいた機能仕様であるMailbagの作成と、Mailbagを作成・管理するためのソフトウェアツールの構築(担当機関:米・ニューヨーク州立大学オールバニ校、助成金額:6万3,890ドル)
・米国の文書館への政府記録保存のための能力開発支援(担当機関:米・州公文書館館長会議(CoSA)、助成金額:10万ドル)
・PDFに埋めこまれた電子メールを、電子メール保存フォーマットであるMBOX形式のファイルとして出力するためのオープンソースのツール及び関連ライブラリの構築(担当機関:米・コロンビア大学、助成金額:9万8,630.04ドル)
・電子メールコレクションの添付ファイルをデジタル保存のための推奨フォーマットにバッチ変換するソフトウェア“Attachment Converter”の構築(担当機関:米・シカゴ大学図書館、助成金額:4万230ドル)

Email Archives Building Capacity and Community(University of Illinois Library, 2021/4/17)
https://www.library.illinois.edu/news/email-archives-building-capacity-and-community/

Email Archives: Building Capacity and Community(University of Illinois Library)
https://emailarchivesgrant.library.illinois.edu/
※EA:BCCプロジェクトのウェブページです。

NEWS & UPDATES(Email Archives: Building Capacity and Community)
https://emailarchivesgrant.library.illinois.edu/blog/
※1期目の申請募集時のお知らせ“Call for Proposals”に“Two rounds of funding will be made available”とあり、2期に分けての採択プロジェクト選定が予定されている旨が示されています。

参考:
英・電子情報保存連合(DPC)、電子メールの保存に関するレポート“Preserving Email”の第2版を公開
Posted 2019年11月14日
https://current.ndl.go.jp/node/39514

E2361 – 英・デジタル保存連合と「デジタル保存賞」の来し方
カレントアウェアネス-E No.409 2021.03.04
https://current.ndl.go.jp/e2361