韓国文化体育観光部・韓国国学振興院、消滅の恐れがある近代資料を調査・保存する「近代記録文化調査事業」実施のため、中高年を対象に「近代記録文化調査員」500人を募集

2021年3月8日、韓国・文化体育観光部と韓国国学振興院は、50代から70代までの中高年を対象に「近代記録文化調査員」500人を募集すると発表しました。

消滅の恐れがある近代資料(1910年から1979年に作成された文書・書籍・写真・図面等)を発掘・保存するとともに、中高年の「人生二毛作活動」を支援するために推進する「近代記録文化調査事業」として、韓国の近現代史の当事者である中高年の経験と知恵を借りて、全国に散在する近代資料を調査・収集するものです。

同事業で収集された資料は、韓国国学振興院において出処や内容にもとづき書誌を作成して保存・管理し、その後、近代文化のコンテンツとして活用するとしています。

募集は、全国を5つの地域(首都圏150人・江原圏40人・慶尚圏150人・忠清圏80人・全羅済州圏80人)に分けて行われます。スマートフォンやデジタルカメラを所有し利用できること等が応募の条件となっています。募集期間は3月19日までです。

2次面接を経て採用された人は、5月24日から7月29日まで非対面(オンライン)の研修を30時間、対面の研修を6時間受講したうえで評価され、調査員の資格が与えられます。調査収集活動は8月2日から11月30日までが予定されています。

내 손으로 지키는 우리 지역 근대기록문화- 3. 8.~19. 만 50~70세 중장년 대상, 근대기록문화 조사원 500명 신규 모집 -(自分の手で守る私たちの地域の近代記録文化-3月8日から19日まで50歳から70歳の中高年を対象に近代記録文化調査員500人を新規募集)(韓国文化体育観光部,2021/3/8)
https://www.mcst.go.kr/kor/s_notice/press/pressView.jsp?pSeq=18713

2021년 근대기록문화조사원 선발공고(2021年近代記録文化調査員選抜公告)(韓国国学振興院,2021/3/8)
http://www.koreastudy.or.kr/pub/pubBbsRead.do?menu_seq=70&menu_type=&board_seq=7687&pub_se=

参考:
韓国国立中央図書館(NLK)、公共図書館所蔵の貴重資料・郷土資料のデジタル化支援事業の2019年度の募集開始
Posted 2019年4月8日
https://current.ndl.go.jp/node/37977

韓国国立中央図書館(NLK)、慶州市・独楽堂所蔵の古書・古文書等の展示を実施:民間所在の古文献調査・デジタル化の成果
Posted 2019年10月16日
https://current.ndl.go.jp/node/39277

韓国国立中央図書館(NLK)、国内外の機関・個人等が所蔵する文化芸術資料を対象としたデジタル化支援事業の受付を開始:2020年12月までに約10万件をデジタル化
Posted 2019年11月20日
https://current.ndl.go.jp/node/39545

韓国国立中央図書館(NLK)、忠清南道地域の住民を対象とした古文献の出張相談会を国立世宗図書館で開催
Posted 2020年3月19日
https://current.ndl.go.jp/node/40548

E2135 – 私達の人生を変える図書館:第3次図書館発展総合計画(韓国)
カレントアウェアネス-E No.368 2019.05.16
https://current.ndl.go.jp/e2135
※地域資料の収集強化、国内外に散在・流出した古文献の収集・統合管理、地域資料のデジタル化とクラウド基盤の構築等に言及されています。