2021年2月23日、英・電子情報保存連合(DPC)は、視聴覚資料のデジタル保存に関するレポート“Pragmatic Audiovisual Preservation”の公開を発表しました。著者は映像資料やデジタル保存ワークフローの専門家であり、現在はデジタル保存に関するソフトウェア開発やコンサルティング等を行うカナダの企業Artefactualに勤務するAshley Blewer氏です。
同レポートは、デジタル保存の概念やアーカイブ作業の実務に関する基礎知識を有し、かつ視聴覚資料に関する専門知識を有さない実務者を対象とした実践的ガイダンスと位置付けられています。内容としては、視聴覚資料のメディアやファイル構造に関する解説、デジタル保存におけるベストプラクティス、課題の整理、各種ファイルフォーマットの解説、3機関を対象としたケーススタディー、組織タイプ別の保存シナリオ、参考文献等が含まれています。
なお、同レポートは、DPCの出版物“Technology Watch”シリーズのうち、特定のコンテンツやデータタイプに関する詳細なレファレンスガイドを提供する“Technology Watch Reports”シリーズに分類されています。同レポート公開に関するDPCの発表には、今後数か月の間に様々なデジタル保存のトピックに関する“Technology Watch Reports”のリリースを予定しているとの記載があります。
Pragmatic Audiovisual Preservation: DPC releases new Technology Watch Report(DPC, 2021/2/23)
https://www.dpconline.org/news/pragmatic-audiovisual-preservation-public-release
Practical guidance on AV preservation(Artefactual, 2021/2/25)
https://www.artefactual.com/practical-guidance-on-av-preservation/
Pragmatic Audiovisual Preservation [PDF:45ページ]
http://doi.org/10.7207/twr20-10
参考:
国際音声・視聴覚アーカイブ協会(IASA)、視聴覚資料の保存に関するガイド“The Safeguarding of the Audiovisual Heritage”(IASA-TC 03)の第4版を公開
Posted 2018年1月31日
http://current.ndl.go.jp/node/35404
オランダ視聴覚研究所、視聴覚資料の保存にかかる今後10年間の戦略的優先事項と専門家が取るべき共通行動をまとめたホワイトペーパーを公表
Posted 2018年1月18日
http://current.ndl.go.jp/node/35332
国立国会図書館、「電子情報の長期保存対策に係る調査報告書(令和元年度)」を公開
Posted 2020年8月19日
https://current.ndl.go.jp/node/41774