国際図書館連盟(IFLA)、ミャンマー国軍のインターネット遮断による情報アクセス制限に対して会長・事務局長名で深い憂慮を表明

2021年2月9日、国際図書館連盟(IFLA)は、ミャンマー国内でインターネット遮断などの情報アクセス制限が行われているという報道を受けて、マッケンジー(Christine Mackenzie)会長とライトナー(Gerald Leitner)事務局長の連名で深い憂慮を示した声明を発表しました。

声明では、情報アクセスは権利と発展の原動力であるという確信が図書館活動の根底にあり、これを制限することは、短期的な弊害を生み出すとともに、長期的にも傷跡を残し進歩を遅延させるとして、深刻な問題であることを指摘しています。その上で、インターネット遮断による情報アクセス制限は、図書館が自らの使命を果たすための機能を阻害し、経済・社会・文化・市民参加に著しい制限をかける措置であるとして、ミャンマー国内の図書館の国際的な基準に沿った自由な運営と、図書館利用者の情報アクセス権の行使の支援について、ミャンマー政府がこれを保証するように要求しています。また、ミャンマー国民の情報に関わる権利行使の保証に、最大限の努力が図られることを求めています。

報道等によると、2021年2月1日にクーデターで政権を掌握したミャンマー国軍は、市民による抗議活動の組織化の阻止のため、2月6日から7日にかけて国内のインターネット接続の遮断を実施しました。

IFLA Deeply Concerned by Reports of Restrictions on Access to Information in Myanmar(IFLA,2021/2/9)
https://www.ifla.org/node/93627

関連:
Myanmar coup: Internet shutdown as crowds protest against military(BBC,2021/2/6)
https://www.bbc.com/news/world-asia-55960284

ミャンマー国内情勢に関する注意喚起(第2報)(外務省海外安全ホームページ,2021/2/10)
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2021C030.html

参考:
国際図書館連盟(IFLA)情報への自由なアクセスと表現の自由に関する委員会(FAIFE)、図書館でのインターネットアクセスに関するガイドライン“IFLA Guidelines on Public Internet Access in Libraries”を公表
Posted 2019年8月29日
https://current.ndl.go.jp/node/38909

E1536 – ミャンマーの図書館事情:アジア財団レポートより
カレントアウェアネス-E No.254 2014.02.20
https://current.ndl.go.jp/e1536