2020年12月11日、学術出版社のBrill社とドイツのマックス・プランク科学史研究所(Max-Planck-Institut für Wissenschaftsgeschichte:MPIWG)は、伝統的な蓄積を活用した用語索引(concordance)の新しいデジタル形式の出版フォーマットについて、持続的な構築・維持等の相互協力を行うことを目的とする契約を締結したことを発表しました。
プレスリリースでは契約締結の背景として、MPIWG所属の研究者は一次資料からデジタルデータセットを生成する歴史研究の実践を盛んに進めており、データの収集プロセスを統合した形で研究成果として公表するための先進的な手法を検討していること、Brill社がデジタル出版に関する豊富な経験をデジタル人文学の研究コミュニティへ拡大する意図があることなどを挙げています。
両者が共同研究プロジェクトとして構築・維持を構想しているデジタル形式の用語索引の出版フォーマットでは、読者がデータから一次情報源を参照したりデータセットそのものを研究目的で再利用することが可能となり、研究者が自身の成果をその根拠となる再利用可能なデータとともに提示することができる、と説明しています。
Brill and Max Planck Institute for the History of Science Sign Agreement on Digital Concordances(Brill,2020/12/11)
https://brill.com/newsitem/273/brill-and-max-planck-institute-for-the-history-of-science-sign-agreement-on-digital-concordances
Brill und Max-Planck-Institut für Wissenschaftsgeschichte unterzeichnen Vereinbarung über digitale Konkordanzen(MPIWG,2020/12/11)
https://www.mpiwg-berlin.mpg.de/de/aktuelles/brill-und-max-planck-institut-fuer-wissenschaftsgeschichte-unterzeichnen-vereinbarung
参考:
ルクセンブルクのLuxembourg Centre for Contemporary and Digital History(C2DH)と独・De Gruyter社がデジタル・ヒストリーに関するオープンアクセス査読誌の創刊を発表
Posted 2020年12月10日
https://current.ndl.go.jp/node/42737
研究データ同盟(RDA)、デジタル人文学分野の研究者・サービスプロバイダを対象にRDAの関連情報をまとめた報告書を公開
Posted 2019年8月7日
https://current.ndl.go.jp/node/38748
DANSとBrill社が人文社会科学分野のデータジャーナルを創刊
Posted 2015年10月21日
https://current.ndl.go.jp/node/29713
E2068 – 日本学多巻資料の総目次・索引電子化プロジェクト
カレントアウェアネス-E No.356 2018.10.25
https://current.ndl.go.jp/e2068