札幌弁護士会、会長名で「捜査関係事項照会に対する公立図書館等の対応に関する意見」を公表

2020年12月23日、札幌弁護士会は、会長名で「捜査関係事項照会に対する公立図書館等の対応に関する意見」を公表しました。

図書館の利用に関する照会は利用者のプライバシー権に関わる重要な問題とし、捜査機関に対し、図書の貸出・閲覧情報等の照会に当たっては刑事訴訟法218条に基づく捜索差押等の手続を取ることを求めています。また、公立図書館・大学図書館に対しては、令状を伴わない照会に応じ利用者に関するこのような情報を提供しないよう求めています。

札幌弁護士会では、2020年3月、札幌弁護士会管内の市町村の基幹図書館及び大学図書館計102館を対象に、令状によらない捜査関係事項照会を受けたことがあるかを尋ねるアンケート調査を行いました。回答があった43館のうち10館が「受けたことがある」と回答し、その内5館は照会事項に対して回答していました。今回の意見はこの調査結果を踏まえて公表されました。

捜査関係事項照会に対する公立図書館等の対応に関する意見(札幌弁護士会, 2020/12/23付け)
https://satsuben.or.jp/statement/2020/12/23/239/

5図書館、警察に情報提供 札幌弁護士会、利用者の「人権侵害」と指摘(47NEWS(北海道新聞), 2020/12/24)
https://www.47news.jp/5645034.html

参考:
北海道新聞、道内人口上位15市に対し捜査機関による任意捜査への対応について取材した結果を公表 8市は場合により、利用者情報を「提供する」と回答
Posted 2019年6月4日
https://current.ndl.go.jp/node/38286

日本図書館協会(JLA)図書館の自由委員会、「捜査機関から「照会」があったとき」の改訂版を公開
Posted 2018年5月24日
http://current.ndl.go.jp/node/36044

カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社、顧客情報の取り扱いに関する基本方針を再検討 検討中は捜査機関への対応は捜査令状に基づく場合のみとすると発表
Posted 2019年2月6日
https://current.ndl.go.jp/node/37533

カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社、Tカードの個人情報を捜査令状なく捜査機関に提供 武雄市図書館は貸出履歴等は提供されていないと説明
Posted 2019年1月22日
http://current.ndl.go.jp/node/37426