シュプリンガー・ネイチャー、2021年1月よりNature誌のオープンアクセス(OA)オプション提供と提案型OAの試験的運用を開始

2020年11月24日、シュプリンガー・ネイチャーは、Nature誌と32のNature関連誌でオープンアクセス(OA)オプションを提供することを発表しました。2021年1月より、論文掲載料(APC)を支払うことによりこれらのジャーナルで、ゴールドOAで出版することが可能になります。APCは9,500ユーロ(約117万円)に設定されています。

さらに、提案型(guided)OAと呼ばれる新たなOAオプションの試験的運用を、6のジャーナルで2021年1月より展開することを発表しました。提案型OAの試験的運用では、著者は1回の投稿で、複数のNatureポートフォリオのタイトルの1つで出版する機会を得ることができます。この試験的運用にオプトインする著者は、編集評価料(Editorial Assessment Charge)として投稿時に2,190ユーロを支払います。その後、編集者は外部査読を含むフィードバックを編集評価報告書として著者に提供します。対象のジャーナルの1つに論文が掲載される場合は補填論文掲載料(top-up APC)の支払いが生じ、Nature Physics誌の場合はその額は2,600ユーロとなっています。しかし、著者はこの提案型OAによって、通常のゴールドOAより低いコストでOA出版することが可能になるとあります。著者は、編集評価報告書を受け取った後にオプトアウトした場合、もしくは原稿が不採択になった場合でも、編集評価報告書を活用して他のジャーナルに投稿することができるとしています。

これらのジャーナルタイトルは、シュプリンガー・ネイチャーの他のジャーナルタイトルと共に、cOAlition SのJournal Tracker Toolに提出し、転換ジャーナルとして含まれるようにする予定であると述べられています。

シュプリンガー・ネイチャーがNature およびNature関連リサーチ誌においてゴールドオープンアクセス出版のオプションを2021年1月より提供開始(nature asia, 2020/11/24)
https://www.natureasia.com/ja-jp/info/press-releases/detail/8816

Nature journals reveal terms of landmark open-access option(nature, 2020/11/24)
https://doi.org/10.1038/d41586-020-03324-y

参考:
Springer Nature社と独・Max Planck Digital Library、転換契約を締結
Posted 2020年10月21日
https://current.ndl.go.jp/node/42323

Springer Nature社、Nature誌を含む同社の非オープンアクセス学術誌の多くをPlan Sに準拠させる意向を表明
Posted 2020年4月15日
https://current.ndl.go.jp/node/40772

cOAlition S、Plan S原則に準拠した出版方法の研究者向け確認ツール“Journal Checker Tool”のベータ版を公開
Posted 2020年11月19日
https://current.ndl.go.jp/node/42568