2020年7月16日、国際図書館連盟(IFLA)は、過去10年間に行われた図書館の投資収益率(ROI)に関する調査のレビュー“Library Return on Investment – Review of Evidence from the Last 10 Years”の公開を発表しました。
ROIは、投資額に対して得られる純利益の比率を示すものであり、図書館評価においても組織、プロジェクト、サービスの価値を測定するためのアプローチとして使用されることがあります。本レビューでは、公共・大学・専門図書館のROIに関し過去10年間に行われた調査について、ROIを示すとともに、測定方法のレビューを行っています。
結論部では、図書館は投資額よりも多くの価値を還元していると示唆する研究は多くある一方、その方法論にはばらつきがあり、決定的かつ普遍的な方法論は、特定の館種に限定したものでさえもまだ出現していないとしています。その上で、図書館の価値を実証するための優れた実践・アプローチについて更なる議論を期待すると述べています。
Library Return on Investment – Review of Evidence from the Last 10 Years(IFLA, 2020/7/16)
https://www.ifla.org/node/93197
Library Return on Investment – Review of Evidence from the Last 10 Years [PDF:7ページ]
https://www.ifla.org/files/assets/hq/library_roi.pdf
参考:
CA1627 – 動向レビュー:図書館のもたらす経済効果 / 池内淳
カレントアウェアネス No.291 2007年3月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1627
美術館・図書館・文書館・博物館がもたらす経済的価値を試算した報告書が公表される(カナダ)
Posted 2020年6月15日
https://current.ndl.go.jp/node/41218