オハイオ州の公共図書館における投資対効果(ROI)に関するレポート公開 1ドルの投資に対し3.89ドル~5.48ドルのリターン(米国)

米国オハイオ州の公共図書館を対象に、投資対効果(ROI: Return on Investment)等を測定したレポートが2016年4月付けで公開されています。

同レポートはオハイオ州の公共図書館のコストやサービスの広がりを米国の他州と比べる第1・2章と、オハイオ州の公共図書館の投資対効果を見積もった第3章、および結論から構成されます。第3章ではオハイオ州の図書館が提供するサービスについて、同等のサービスを私企業等で受ける場合にかかる費用等からROIを見積もっています。その結果、オハイオ州の図書館が提供するサービスには26億7,143万8,720ドル相当の価値があり、実際の図書館運営にかかる費用は6億8,745万8,354ドルであることから、そのROIは約3.89(1ドルの投資に対し3.89ドルのリターン)であると見積もっています。また、図書館サービスを利用することで浮いた費用を人々が他分野の消費に使うこと、その消費がもたらす利益等も考慮した場合、図書館サービスには37億6,619万4,308ドル相当の価値があると見積もられ、そのROIは5.48であるとしています。

The Return on Investment of Ohio’s Public Libraries
http://olc.org/wp-content/uploads/documents/post-id_2060/2016/04/Ohio-Public-Libraries-ROI-Report.pdf

Report: Ohio Libraries Release “Return on Investment” Study(LJ infoDOCKET、2016.4.18付け)
http://www.infodocket.com/2016/04/18/report-ohio-libraries-releases-return-on-investment-report/

Ohio libraries tout heavy use, economic value cited in study(The Columbus Dispatch、2016/4/16付け)
http://www.dispatch.com/content/stories/local/2016/04/16/ohio-libraries-tout-heavy-use-economic-value-cited-in-study.html

参考:
E655 (No.108) – 公共図書館の価値を,どのように評価し,そして伝えるか?
http://www.dap.ndl.go.jp/ca/modules/cae/item.php?itemid=672

CA1627 (No.291) – 動向レビュー:図書館のもたらす経済効果 / 池内淳
http://www.dap.ndl.go.jp/ca/modules/ca/item.php?itemid=1065

1ドルの投資で5.5ドルのリターン:ROIで測る図書館の経済効果(米国)
Posted 2007年6月28日
http://current.ndl.go.jp/node/6075