SAT大蔵経テキストデータベース研究会、聖徳太子御製とされる仏教典籍『勝鬘經義疏』のUnicodeとTEIに準拠したデジタル版を作成・公開

2020年4月2日、SAT大蔵経テキストデータベース研究会は、聖徳太子御製とされる仏教典籍『勝鬘經義疏』について、Unicode、及び人文科学テキストの符号化・交換のための規格TEIに準拠したデジタル版を作成し、公開したことを発表しました。

同研究会は日本の仏典をデジタル媒体として構造化する取り組みの一環として、今回の『勝鬘經義疏』TEI/XML版の公開を実施しました。公開されたTEI/XML準拠データを用いることで、一部の漢字の微細な形の違いの表示と一括検索・『勝鬘經義疏』に引用される『勝鬘經』当該箇所の参照・文書中に登場する固有表現の抽出と外部リソースとのリンク・返り点の表示と非表示やそれを用いたテキスト分析などが技術的には可能になります。また、同研究会が提供する「SAT大正新脩大藏經テキストデータベース2018版」を介することで、デジタル画像相互運用のための国際規格IIIFに対応することも可能です。

なお、今回公開された『勝鬘經義疏』TEI/XML版は、関連する国際規格・仕様の最新の部分も活用した試作版であり、対応するアプリケーションが十分に開発されていないことが合わせて発表されています。同研究会はこの試作版公開を通して、Unicodeにおいて異体字を扱うIVS及びCJK統合漢字拡張Fの利用に関するフィードバックの収集・日本語歴史的典籍におけるTEIエンコーディングの適用方法の提案・TEIエンコーディングに関するフィードバックの収集・IIIF活用方法に関するフィードバックの収集・次世代の文字エンコーディングやテキストエンコーディングに対応したアプリケーション開発支援などを目指す、としています。

新着情報(SAT大蔵経テキストデータベース)
http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/
※2020/4/2欄に「日本の仏典をデジタル媒体として構造化する取り組みの一環として、TEI/XML準拠の『勝鬘經義疏』デジタル版を公開しました。」とあります

日本の仏典の国際標準化に向けて:聖徳太子御製『勝鬘經義疏』のTEI版を公開しました(SAT大蔵経テキストデータベース)
https://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/sat_tei.html

参考:
Text Encoding Initiative(TEI)に日本語テキストなどを扱うSIGが結成される
Posted 2016年6月30日
https://current.ndl.go.jp/node/31943

【イベント】TEI協会東アジア/日本語分科会等、国際ワークショップ“Models of Japanese Texts and TEI”(「日本語テクストのモデルとTEI」)を開催(8/31・東京)
Posted 2016年8月12日
https://current.ndl.go.jp/node/32310