英・Guardian紙は、2020年3月11日付けの記事で、英国における電子書籍やオンライン新聞への付加価値税(VAT、日本の消費税に相当)が、2020年12月からゼロ税率となることを報じています。
紙の書籍や新聞に対するVATはこれまでもゼロ税率であった一方、電子書籍やニュースサイトのオンライン購読等には現在20%のVATが課されています。電子雑誌・電子ジャーナルもこの税率変更の適用対象となるため、大学図書館における費用負担軽減につながるとしています。なお、オーディオブックは適用対象外となっています。
同記事では、出版社側が節約できた税額分全てを消費者側に還元するかは不透明であること、電子書籍のコスト減が従来の書店業への打撃となりうることも指摘しています。
Government will abolish the 20% ‘reading tax’(The Guardian, 2020/3/11)
https://www.theguardian.com/uk-news/2020/mar/11/government-will-abolish-the-20-reading-tax
Budget 2020: VAT on e-books and newspapers scrapped(BBC, 2020/3/11)
https://www.bbc.com/news/technology-51832899
Budget Speech 2020(GOV.UK, 2020/3/11)
https://www.gov.uk/government/speeches/budget-speech-2020
※英国のリシ・スナック財務大臣による予算演説の内容です。電子書籍等のVATゼロ税率化に言及しています。
参考:
欧州連合(EU)経済財務相理事会、電子出版物への軽減税率適用を承認
Posted 2018年10月12日
https://current.ndl.go.jp/node/36811
国立国会図書館、『外国の立法』2015年4月号でEUの電子書籍軽減税率についての記事を掲載
Posted 2015年4月13日
https://current.ndl.go.jp/node/28315
欧州での電子書籍への付加価値税の税率について(記事紹介)
Posted 2011年12月8日
https://current.ndl.go.jp/node/19685
E1129 – 学術雑誌を電子媒体のみとするための課題と提言(英国)
カレントアウェアネス-E No.185 2010.12.16
https://current.ndl.go.jp/e1129