ドイツ没収文化財財団(Deutsches Zentrum Kulturgutverluste)、文化財・コレクションの来歴調査のためのデータベース“Proveana”を公開

2020年1月23日、2015年に設立し20世紀ドイツにおける違法な文化財没収に関する諸問題の中心的窓口として活動するドイツ没収文化財財団(Deutsches Zentrum Kulturgutverluste:German Lost Art Foundation)は、文化財・コレクションの来歴調査のためのデータベース“Proveana”を新たに公開したことを発表しました。

“Proveana”は主として過去に同財団によって助成を受けた研究の成果物で構成されています。特に1933年から1945年の文化財剥奪に重点が置かれており、「ナチス政権による略奪」、「戦争による喪失」、「ソビエト連邦の占領地区、及び東ドイツにおける文化財の剥奪」、「植民地から収集した文化財・コレクション」の4つの研究領域について、当該文化財・コレクションに関わる人物・機関・事件等の情報を提供しています。

“Proveana”からは、同じくドイツ没収文化財財団が運営する、ユダヤ人所有者等に対するナチス政権の迫害の結果として押収された文化財のデータベース“Lost Art-Datenbank”の情報へアクセスすることもできます。

Noch mehr Offenheit und Vernetzung in der Provenienzforschung: Deutsches Zentrum Kulturgutverluste startet neue Forschungs-Datenbank Proveana(Deutsches Zentrum Kulturgutverluste,2020/1/23)
https://www.kulturgutverluste.de/Content/02_Aktuelles/DE/Pressemitteilungen/2020/2020-01-23_Datenbank-Proveana.html?nn=106006

Proveana
https://www.proveana.de/

Lost Art-Datenbank
http://www.lostart.de/Webs/DE/LostArt/Index.html

参考:
ナチスによって略奪された文化財等の調査のためのポータルサイトが公開
Posted 2011年5月10日
https://current.ndl.go.jp/node/18143

CA1168 – 独露の戦利品図書問題のその後 / 兎内勇津流
カレントアウェアネス No.221 1998.01.20
https://current.ndl.go.jp/ca1168

ゲティ財団、美術作品の来歴調査用データベース“Getty Provenance Index”に、英国の1680年から1780年までの競売記録を追加
Posted 2017年3月6日
https://current.ndl.go.jp/node/33600

独立行政法人国立美術館、「所蔵作品総合目録検索システム」での所蔵作品の「歴史情報」の公開を開始
Posted 2018年11月6日
https://current.ndl.go.jp/node/36980