豊橋市図書館(愛知県)、羽田八幡宮所蔵の織田信長・豊臣秀吉等の書翰や後奈良天皇等の宸翰8点が羽田八幡宮文庫旧蔵資料であったことが確認されたと発表

2019年11月6日、愛知県の豊橋市図書館が、羽田八幡宮が所蔵する書翰・宸翰8点が羽田八幡宮旧蔵資料であったことが確認されたと発表しています。

同文庫は、羽田八幡宮の羽田野敬雄や地元の町人らが嘉永元年(1848年)に設立した私設文庫で、明治40年(1907年)頃に閉鎖された際に旧蔵書は売却されましたが、その後買い戻され、それを基に豊橋市立図書館が設立されました。

同館では、同文庫の旧蔵資料を市の文化財に指定するため、羽田八幡宮において文庫旧蔵資料の所有者確認等調査を行って、これまで八幡宮と文庫と所蔵者の区別がつかなかったものを調べたところ、書翰5点・宸翰3点、あわせて8点が同文庫の旧蔵資料であることが確認できたとしています。同文庫が閉鎖された際に旧蔵資料は売却されたものの、書翰・宸翰など極一部の貴重資料は売却されずに羽田八幡宮へ移管されて宝物となったと評価しています。

また、書翰と宸翰の真贋鑑定を行い、足利義詮・織田信長・豊臣秀吉・徳川家康・徳川光圀の書翰は本物であることが確認できたと発表されています。また、これまで源頼朝とされてきた書翰が調査の結果、足利義詮のものと確認されたとしています。一方、後二条天皇・後奈良天皇・後陽成天皇の宸翰については判断資料が少ないため真贋については判断しておらず、診断方法を検討中としています。

「信長書翰等」報道機関対象説明会を開催しました(豊橋市図書館,2019/11/6)
http://www.library.toyohashi.aichi.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=journal_view_main_detail&post_id=557&comment_flag=1&block_id=379#_379

羽田八幡宮文庫旧蔵資料書翰・宸翰 (羽田八幡宮所蔵について) [PDF:6ページ]
http://www.library.toyohashi.aichi.jp/?action=common_download_main&upload_id=2925

羽田八幡宮文庫から織田信長等の書翰を確認!(豊橋市図書館日記,2019/11/6)
https://ameblo.jp/toyohashi-city-library

参考:
E2170 – 「とよはしアーカイブ」公開記念シンポジウム<報告>
カレントアウェアネス-E No.375 2019.08.29
https://current.ndl.go.jp/e2170