2019年7月3日、オープンアクセス学術出版協会(OASPA)は、加盟機関が2018年に出版したオープンアクセス(OA)論文の、ライセンス種類別の統計を公表しました。
統計に基づき次のようなことが報告されています。
・2018年にOASPA加盟機関の完全OA雑誌(全論文がOAの雑誌)に掲載され、CC BYライセンスが付与された論文数は26万1,621本であったこと
・2018年にOASPA加盟機関から発行されたOA論文数は2017年から23%増加したこと
・完全OA雑誌においてはCC BYライセンスの付与された論文が大多数であることが明確に示されているものの、ハイブリッド雑誌のOA論文や完全OA雑誌でCC BY以外のライセンスを付与された論文の増加も見られること
・CC BY-NC-SAライセンスの付与されたOA論文数は完全OA雑誌、ハイブリッド雑誌ともに減少していること
・2017年から2018年にかけて完全OA雑誌に掲載されCC BY-NC-NDライセンスが付与された論文数が著しく増加しているが、De Gruyter社のデータが初めて反映されたことによるもので、同社の雑誌への掲載論文は2019年以降CC BYライセンスが付与されており、次の調査では著しく減少することが予想されること
・完全OA雑誌に掲載されCC BYライセンスが付与された論文数は着実に増加しており、2017年から2018年の増加率は18%で過去5年間の平均よりもわずかに高いこと
・2017年と同様に、完全OA雑誌に掲載されCC BYライセンスが付与された論文の80%がSpringer Nature社・MDPI社・Frontiers社・PLOS社・Hindawi社の5つの出版社から発行されていること
・DOAB(Directory of Open Access Books)の2018年までの累計約1万3,000タイトルのうち、9,000タイトル以上についてクリエイティブ・コモンズ・ライセンスが付与されていること
データはExcelのスプレッドシート形式で、パブリック・ドメインライセンスの下で公開されています。
Rate of growth for CC BY articles in fully-OA journals continues for OASPA members(OASPA,2019/7/3)
https://oaspa.org/growth-continues-for-oaspa-member-oa-content/
参考:
オープンアクセス学術出版協会、加盟機関が2017年に出版したオープンアクセス論文のライセンス種類別統計を公開 2017年のCC-BY論文は21万9,627本
Posted 2018年6月19日
http://current.ndl.go.jp/node/36187
オープンアクセス学術出版協会、加盟機関が2016年にCC BYライセンスで出版したオープンアクセスの論文数を公表:2016年は18万9,529本
Posted 2017年5月29日
http://current.ndl.go.jp/node/34055
オープンアクセス学術出版協会(OASPA)、加盟機関が2015年にCC-BYライセンス下で出版したオープンアクセス(OA)の論文数を公開 2015年は160,955本
Posted 2016年7月19日
http://current.ndl.go.jp/node/32102
オープンアクセス学術出版協会(OASPA)、加盟機関が2014年にCC BYで出版したオープンアクセス(OA)の論文数を公開
Posted 2015年5月21日
http://current.ndl.go.jp/node/28526
OASPA加盟機関がCC BYで出版したオープンアクセスの論文数、2013年は120,972件、累計で399,854件に
Posted 2014年5月22日
http://current.ndl.go.jp/node/26185