カナダインターネット登録局(CIRA)、インターネットとフェイクニュース、プライバシー等に関するカナダ人の経験や意見を調査したレポートを刊行

2019年2月19日、「.ca」ドメインの管理等を行うカナダの非営利団体であるカナダインターネット登録局(The Canadian Internet Registration Authority:CIRA)が、インターネットとフェイクニュース、プライバシー、サイバーセキュリティとアクセスに関するカナダ人の経験や意見を調査したレポート“CANADIANS DESERVE A BETTER INTERNET”を刊行しました。

2018年12月にカナダのインターネットユーザー1,200人以上に対し行った調査に基づくものであり、得られた主な知見として以下を挙げています。

〇ソーシャルメディアとフェイクニュース
・75%が、少なくとも時々は(at least sometimes)フェイクニュースを目にすると回答した
・57%がフェイクニュースに騙されたことがある
・70%が次のカナダ連邦議会選挙の結果にフェイクニュースが影響を与えるのではと懸念している

〇プライバシー
・72%が、価値のある/便利なサービスと引き換えに個人情報を少し開示しても構わないと思っている
・87%が、顧客の個人データにアクセスする企業が、同意を経ずに個人データを第三者と積極的に共有することを懸念している
・86%が、カナダ人の個人情報を含む政府データの保存・送信範囲はカナダ国内に限定することが重要であると考えている

〇サイバーセキュリティ
・87%が、個人データにアクセスできる組織へのサイバー攻撃を懸念している
・個人データがサイバー攻撃にさらされた場合、その組織とのビジネスを継続すると答えたのは19%のみであった
・78%がモノのインターネット(Internet of Things)に関連したセキュリティ上の脅威を懸念している

〇アクセス
・69%が、モバイルデータを含むインターネットサービスの高コストがカナダの経済と繁栄を害していると考えている
・83%が、高速インターネットへのユニバーサルアクセスはカナダ全体の経済成長と繁栄にとって重要であると考えている
・70%が、カナダ政府は高速インターネットへの公衆アクセスのサポートにもっと取り組むべき、という意見に同意した

〇インターネットガバナンス
・75%が、インターネットの国際的な統制・規制に関するトピックについてほとんど知らないと回答した
・50%が、グローバルなインターネットが、規制に関する原則・方針が大きく異なる地域ブロックに分割される可能性を懸念している
・66%がネットワーク中立性の原則を支持している

New research report from CIRA shares Canadian perspective on fake news, privacy, cybersecurity and internet access(CIRA, 2019/2/19)
https://cira.ca/newsroom/press-releases/new-research-report-cira-shares-canadian-perspective-fake-news-privacy

CANADIANS DESERVE A BETTER INTERNET(CIRA)
https://cira.ca/betterinternet

参考:
国際図書館連盟(IFLA)、政府・図書館への提言を含むフェイクニュースに関する声明を発表
Posted 2018年8月28日
http://current.ndl.go.jp/node/36550

欧州委員会(EC)の高度専門家グループ、オンライン上の偽情報に対応するための推奨事項をまとめた報告書を公開
Posted 2018年3月13日
http://current.ndl.go.jp/node/35636

欧米4か国で実施されたフェイクニュースに対する意識調査についての報告書が公開される
Posted 2017年10月31日
http://current.ndl.go.jp/node/34920

総務省、「ネットワーク中立性に関する研究会中間報告書(案)」に対する意見を募集
Posted 2019年2月25日
http://current.ndl.go.jp/node/37648