日本マンガ学会、「ダウンロード違法化の対象範囲拡大に対する反対声明」を発表

2019年1月23日、日本マンガ学会が、同学会理事連名による「ダウンロード違法化の対象範囲拡大に対する反対声明」を発表しました。

2018年12月に公表された文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会の「中間まとめ」において、「著作物の種類・分野による限定を行うことなく広くダウンロード違法化の対象範囲に含めていくべきとの方向性については、概ね共通認識が得られた」とされていることを踏まえてのものです。

反対声明では、「現在のインターネット環境においては、研究あるいは新たな創作のために、記事・図版・文章の一部などを合法・違法を問わずメモとしてダウンロードし、クリッピングすることは日常的に行われており、こうした行為を「違法」とすることは、むしろ広範囲での研究・創作の萎縮を招く懸念が非常に大きい」等、ダウンロード違法化の対象範囲拡大に関する問題点を4点挙げています。

その上で、著作物の享受や消費行為は新たな著作物を創造する「生産行為」でもあり得るとし、この点が「中間まとめ」では考慮されていないと指摘するとともに、日本のマンガ文化はこうした「生産行為」を基礎として発展してきたと述べています。

ダウンロード違法化の対象範囲拡大に対する反対声明(日本マンガ学会, 2019/1/23)
https://www.jsscc.net/info/130533

参考:
文化庁、「文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会中間まとめ」へのパブリックコメントを募集中
Posted 2018年12月11日
http://current.ndl.go.jp/node/37198