2017年10月17日、米国の国家デジタル管理連盟(National Digital Stewardship Alliance:NDSA)のStaffing Survey Working Groupが、デジタルコンテンツの保存のための職員配置や組織に関するレポート“Staffing for Effective Digital Preservation 2017”を公開したことを発表しました。
2017年に実施した調査の結果をまとめたもので、133の組織から回答がありました。組織の種別や規模、デジタルコンテンツ保存に関する組織や職員配置に対する現状認識、職員の能力や研修の必要性に対する組織の考え、などが紹介されており、また2012年の調査結果とも比較しています。レポートだけでなく、調査のデータも公開しています。
主な統計と調査結果の概要は次のとおりです。
・14か国から133の組織が回答。78%は米国の組織。
・政府機関、博物館、歴史関係の学会、公共図書館、営利企業等、13分野の組織が回答。46%は大学の図書館や文書館等。
・58%の組織では50TB以下のコンテンツを管理。
・デジタルコンテンツ保存にかかる労働力は平均13.6FTE(フルタイム換算値)であるが、理想は27.5FTEである。
・68%の組織では複数の業務を担ってもらうために職員を再教育していて、42%は経験豊富な専門家を雇用している。
・将来予想されるコンテンツの増加割合は、2012年の調査時の予想よりも低くなっている。また、2012年の調査と同様、保存されているコンテンツの大半は画像とテキストである。
・大半の組織は、外注せずに組織内でデジタルコンテンツの保存活動を行いたいと考えている。
・組織内のデジタルコンテンツ保存機能については、25%が適切であると考えている一方、46%は満足しておらず、2012年の調査と比べて満足度は大幅に下がっている。
・デジタルコンテンツ保存に関する部署があると回答した組織は、32%である。
Announcing Publication of the NDSA Digital Preservation Staffing Survey Report(DLF, 2017/10/17)
https://www.diglib.org/archives/14699/
Staffing for Effective Digital Preservation 2017(PDF: 57ページ)
http://ndsa.org/documents/Report_2017DigitalPreservationStaffingSurvey.pdf
Staffing for Effective Digital Preservation 2017: An NDSA Report(OSF)
https://doi.org/10.17605/OSF.IO/3RCQK
参考:
国家デジタル管理連盟(NDSA)、”Staffing for Effective Digital Preservation”を公表(米国)
Posted 2013年12月18日
http://current.ndl.go.jp/node/25110