同レポートは、単行書のOAポリシー、研究助成の傾向と出版のモデルについて、Knowledge Exchangeに研究機関が参加している、英国、フランス、ドイツ、オランダ、デンマーク、フィンランドに加え、オーストリアとノルウェーを加えた欧州8か国を対象に行った調査です。
同レポートは、出版者と助成機関、図書館の三者の進行の違いを把握するため、対象となる国々で行った合計73回のインタビューに基づいてまとめられたものです。インタビューを通じて、単行書のOAに対する著者の姿勢や、OA化に対する学術的なインセンティブの付与とその仕組みの重要性について問題提起されたとしています。
また、同レポートでは以下のような現状が明らかになっています。
- 単行書のOAポリシーはまだ定まっていないものの議論は起こっており、今後数年間でさらにこの動きが加速すると予測されること。
- 出版者が筆者によるセルフアーカイブを認める範囲が章単位に制限されていること。
- 雑誌に比べて単行書のOAの資金調達は後れを取っており、実現できた場合も偶発的な状態にとどまっていること。
A defining overview on OA & academic books(Knowledge Exchange,2017/10/6)
http://www.knowledge-exchange.info/news/articles/06-10-2017
This first-of-a-kind report from Knowledge Exchange maps the landscape for Open Access books in the Knowledge Exchange countries; Finland, Netherlands, UK, France, Denmark and Germany, together with Norway and Austria.(Knowledge Exchange,2017/10/6)
http://www.knowledge-exchange.info/event/open-access-monographs
https://doi.org/10.5281/zenodo.815932
参考:
CA1907 – 動向レビュー:欧州における単行書のオープンアクセス / 天野絵里子
カレントアウェアネスNo.333 2017年9月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1907
OAPEN-UK、オープンアクセス単行書の出版への効果的な移行を容易にするための推奨事項をまとめた最終報告書を発表
Posted 2016年1月29日
http://current.ndl.go.jp/node/30578