2017年1月31日、児童向けの出版・教育などを手掛ける米国のScholastic社が、 2,718人の子どもと保護者を対象に、2016年9月19日から10月10日にかけて実施した、読書に関する調査の報告書 “Kids & Family Reading Report”の第6版を公表しました。
調査結果として以下の点が紹介されています。
・0~17歳の子どもがいる家庭の児童書の平均所蔵数は104冊(3万5千ドル以下の収入の世帯では69冊、ヒスパニック系では91冊、アフリカ系アメリカ人の家庭では67冊)。
・保護者は、子どもが読みたい本を探すために困難を抱えていることを過小評価している。
・子どもも保護者も良いお話や面白いお話を求めている。
・0~17歳の子どもがいる保護者は、子供向けの本の内容に対して、多様性を求めている。
・12~17歳の子どもを持つ保護者は、児童書の登場人物が多様性を反映したものであることを求めている。
・子どもへの読み聞かせを始めたのが、1歳未満と回答した割合が増加している。
・2014年以来、3~5歳児に対して1週間に5~7日の頻度で読み聞かせする保護者の割合が増加している。
・6~11歳の子どもとその保護者にとって、朗読時間は、特別で楽しい時間と考えられている。
・6~17歳の子どもの6割が夏休みの読書を楽しんおり、休暇明けの学習にも役立っていると感じている。
・12~17歳の子どもの1/5、低所得世帯の子どもの1/5は、夏休みに全く本を読まない。
・低所得世帯の保護者は、夏休みの学力低下(summer slide)に関する認識が平均より低い。
・保護者は、全ての子どもが読むべき本として、ハリー・ポッター、グレッグのダメ日記、マジック・ツリーハウス、ドクター・スースの作品、ナルニア国物語をあげている。
New National Research on Children’s Reading Released by Scholastic(Scholastic,2017/1/31)
http://mediaroom.scholastic.com/press-release/new-national-research-childrens-reading-released-scholastic
Kids & Family Reading Report(Scholastic)
http://www.scholastic.com/readingreport/
参考:
子どもと家庭の読書に関する報告書(米国)
Posted 2015年1月9日
http://current.ndl.go.jp/node/27774
E1108 – デジタル時代における子どもの読書の実態(米国)
カレントアウェアネス-E No.181 2010.10.21
http://current.ndl.go.jp/e1108
2008年版子どもと家庭の読書に関する報告書(米国)
Posted 2008年7月29日
http://current.ndl.go.jp/node/8419