韓国国立中央図書館が運営する公共図書館の相互貸借システム“Chaekbada”(記事紹介)

2016年8月に開催される第82回世界図書館情報会議(WLIC)・国際図書館連盟(IFLA)年次大会の資料として、韓国国立中央図書館(NLK)の金(KIM, Hye Jin)氏による、NLKが、2008年4月に開設・運営している韓国国内の公共図書館間の相互貸借システムChaekbada(책바다:本の海)の紹介記事が公開されています。

記事では、システムの沿革、総合目録システムKOLIS-NETのデータの活用・韓国教育学術情報院(KERIS)が運営する大学図書館のILLシステムとのリンク・ショートメッセージを用いた利用者への連絡・地域/グループごとのILLポリシーが設定可能な設計といったシステムの特徴、システムの利用・運営方法が説明されています。

2015年12月時点の加入館は879館で、韓国の公共図書館の77%、大学図書館の24%が参加しており、加入館数・相互貸借数ともに年々増加しているとのことです。

課題として、利用がソウル・京畿道といった首都圏地域に偏っていること、公共図書館の職員不足や頻繁な異動が指摘され、その対応策として、ガイダンスやプロモーション活動、図書館職員向け研修の地域での開催などが紹介されています。

Current status and tasks of the national interlibrary loan system “Chaekbada”
http://library.ifla.org/1359/
http://library.ifla.org/1359/1/095-kim-en.pdf

参考:
韓国国立中央図書館(NLK)、「国立中央図書館協力セミナー」を開催 公共図書館協力業務功労賞、図書館障害者サービス優秀事例・책나래サービス(郵送貸出サービス)優秀図書館の授賞式も実施
Posted 2015年11月18日
http://current.ndl.go.jp/node/30005

CA1296 – 韓国教育学術情報院の新設 / 金容媛
カレントアウェアネス No.245 2000.01.20
http://current.ndl.go.jp/ca1296

CA1060 – KORMARC 開発から普及へ(2) / 大和田孝志
カレントアウェアネス No.200 1996.04.20
http://current.ndl.go.jp/ca1060