ARL加盟図書館の97%で利用者の検索プライバシーが漏れている?(記事紹介)

図書館のデジタルプライバシー等を扱うEric Hellman氏のブログに、2016年5月23日付けで”97% of Research Library Searches Leak Privacy… and Other Disappointing Statistics.”と題した、北米研究図書館協会(ARL)加盟図書館の検索システムを調査した結果が掲載されています。

Hellman氏はARLのWebサイトに掲載されている、加盟館123館の図書館Webサイトにアクセスし、利用者のクリックデータがGoogleやAmazon等の外部サービスに送信されていたり、他者から閲覧できる状況にないかをチェックしました。その結果、以下のことがわかったとしています。

・72%の図書館がGoogle Analyticsを導入しており、Googleにデータが送信されている

・80%の図書館が検索ツールの初期設定をセキュアな接続にしておらず、利用者側が接続しているのと同一のネットワーク内からなら、検索クエリ等が閲覧しうる状況にある

・28%の図書館がAmazonの書影を用いており、Amazonにデータが送信されている

・13%の図書館が行動ターゲッティング広告を導入しており、広告提供側からならば利用者個人を特定した上で行動を追える状況にある

Eric氏のチェックをかいくぐった、利用者の検索プライバシーがほぼ守られていると考えられる図書館は4館であったとのことです。

97% of Research Library Searches Leak Privacy… and Other Disappointing Statistics. (go to hellman、2016/5/23付け)
http://go-to-hellman.blogspot.jp/2016/05/97-of-research-library-searches-leak.html

参考:
米国情報標準化機構(NISO)、図書館、コンテンツプロバイダー、ソフトウェア供給者が、利用者のプライバシーをシステム上で処理する際の原則を公開
Posted 2015年12月18日
http://current.ndl.go.jp/node/30261

アメリカ図書館協会(ALA)、電子書籍及びデジタルコンテンツベンダーのためのプライバシーガイドラインを策定
Posted 2015年8月5日
http://current.ndl.go.jp/node/29085