2015年9月22日、米国カリフォルニア中部地区連邦地裁は、誕生日の歌として有名な“Happy Birthday To You”について、ワーナー・チャペル音楽出版社が、同社が保有すると主張していた歌詞に関する権利は無効であるとの判決を下しました。LA Timesをはじめ、米国メディアを中心に各メディアが報じています。
“Happy Birthday To You”は、19世紀後半、ヒル姉妹が作詞・作曲した“Good Morning to All”を原曲としたもので、その後、20世紀初頭(1935年まで)に、現在の“Happy Birthday To You”の歌詞となって定着したものとされます。
判決の資料によると、原告(ドキュメンタリー映画製作者のJennifer Nelson氏ら)、被告(ワーナー・チャペル音楽出版社)の双方とも、ヒル姉妹がメロディーとピアノによる編曲の著作権については、Clayton F. Summy社(1998年にワーナー・ミュージック・グループに買収)に移行していて、メロディーについては、既にパブリックドメインとなったことを認めていたとされ、歌詞については、両者の主張に対立があり、1935年にClayton F. Summy社が歌詞の著作権を取得していたかどうかが争われていて、Clayton F. Summy社は歌詞に関しては著作権を取得していないとの判決が下り、同社の権利を承継した被告が主張する、歌詞に関する権利は無効であるとされたようです。
All the ‘Happy Birthday’ song copyright claims are invalid, federal judge rules(LA Times, 2015/9/22)
http://www.latimes.com/local/lanow/la-me-ln-happy-birthday-song-lawsuit-decision-20150922-story.html
“Happy Birthday” Copyright Ruled to Be Invalid(Hollywood Reporter, 2015/9/22)
http://www.hollywoodreporter.com/thr-esq/happy-birthday-copyright-ruled-be-826528
Happy Birthday To Everybody: Victory For The Public Domain (With An Asterisk)(Electronic Frontier Foundation, 2015/9/23)
https://www.eff.org/deeplinks/2015/09/happy-birthday-everybody-victory-public-domain-asterisk
https://www.eff.org/files/2015/09/23/282431790-hbd-summary-judgment-order.pdf
※2つ目のリンクはElectronic Frontier Foundationのウェブサイトに掲載されている、“UNITED STATES DISTRICT COURT FOR THE CENTRAL DISTRICT OF CALIFORNIA”というタイトルの判決に関する資料です。