オーストラリア図書館協会(ALIA)、図書館情報学界の教育と雇用に関するレポート“ALIA LIS Education and Employment Trend Report 2015” を公表

2015年8月21日、オーストラリア図書館協会(ALIA)が、図書館情報学(LIS)の教育と雇用に関するレポート“ALIA LIS Education and Employment Trend Report 2015” を公表していました。

図書館情報学専門家の今後5年間の職業の見込みは前向きであるが、労働市場は厳しいままとのことです。

ここ5年間、2013年にレポートしたように、図書館のポジションは23%減少したが、図書館員の非雇用の水準は他の職業の平均以下であり、ベビーブーマーがリタイアすると次世代に職業提供の機会を与えるだろうとのことです。同期間において、図書館技術職は4%減少し、司書補は9%増えたとのことです。

また、

・図書館情報学の占める割合は比較的少なく、高い技能を持つ労働者であり、労働人口1,150万人のうちの30,000人、0.2%を占める。
・図書館情報学の労働者は少ないが、何万ものオーストラリア人が図書館サービスを利用するため、当該部門は重要な広がりと略歴を持つ。
・労働市場は厳しいままで、毎年1,800人の専門家が卒業し、求職する。多くの卒業生は各部門に雇用される一方、その他の者は新規参入者になる。
・図書館情報学コースは、個々のコースや相当な学費の増加の圧力が見受けられ、州や準州のレベルでの専門教育校・TAFE(Technical and Further Education)システムの変化が不安定であった。2015年ではALIA認定コースを提供するのはTAFE33機関の内24機関のみであった。同じく、職業訓練校・VET (Vocational Education and Training) で、図書館情報学証明書Ⅱ・Ⅲ・Ⅳを提供しているところもあった。これは、31機関、52のコースがあった2009年、以来の大幅な下落である。
・図書館員、技術者、司書補は他の職業と比べて十分な高等教育を受けており、全職種では9%であるのに対して、60%の図書館員が修士または博士の学位を取得している。司書もしくは技術職をもつ労働者が69%であることは、この部門における教育の基礎の参加への重要な役割が堅調に推移していることを示す。
・図書館情報提供サービスと同様、図書館情報学と関連する製品を提供するベンダーとして約1000人規模の雇用がある。

等のデータも含まれるとのことです。

Baby boomer retirement creates LIS job opportunities(ALIA,2015/8/21)
https://www.alia.org.au/media-releases/baby-boomer-retirement-creates-lis-job-opportunities

ALIA LIS Education and Employment Trend Report 2015
https://www.alia.org.au/sites/default/files/LIS%20Education%20Skills%20and%20Employment%20Trend%20Report%202015.pdf

参考:
オーストラリア図書館協会(ALIA)“ALIA LIS Education and Employment Trend Report 2014” を公表
Posted 2014年9月18日
http://current.ndl.go.jp/node/27035