2015年5月13日のニューヨークタイムズの「デジタル化における最前線のミュージアム」(“A Museum at the Forefront of Digitization”)と題した記事の中で、オランダのアムステルダム国立美術館“Rijksmuseum”が取り上げられています。同館は2020年までに、絵画や陶器、衣服等にいたる様々な所蔵作品(約100万点)全てをデジタル化することを企図しているとのことです。
記事では、(1)現在、所蔵作品のうち25%(絵画のほぼ全てを含む)が高解像度の画像で、同館のウェブサイトからダウンロード可能であること、(2)デジタル化された成果物はCC0(パブリックドメイン)で公開され、かつ同館は創作コンクールを開催したり、tiffファイルを無償で提供するなどいった試みを推奨していることなどが紹介されています。
他にも、デジタル化に当たっての撮影手法についても言及されており、収蔵作品が比較的小さく、手動で撮影するという“Rijksstudio”に対し、米国のスミソニアン協会では既に220万点の所蔵作品をデジタル化していることや、絵画等であれば1日に150~200点を撮影できるというベルトコンベア式に自動でデジタル化を行う方法を用いている、といったことについても言及されています。
A Museum at the Forefront of Digitization(The New York Times, 2015/5/13付け)
http://www.nytimes.com/2015/05/14/arts/international/a-museum-at-the-forefront-of-digitization.html?_r=0
Rijksmuseum
https://www.rijksmuseum.nl/
Rijksstudio
https://www.rijksmuseum.nl/en/rijksstudio
参考:
高精細デジタル画像を無料提供するアムステルダム国立美術館の“Rijksstudio”とその他のデジタルアーカイブ(記事紹介)
Posted 2013年5月29日
http://current.ndl.go.jp/node/23594
所蔵作品125,000点の高精細画像が無料でダウンロード・再利用可能、アムステルダム国立美術館がウェブサイト“Rijksstudio”を公開
Posted 2012年11月2日
http://current.ndl.go.jp/node/22242
スミソニアン博物館、3Dデータのサイトを公開
Posted 2013年11月14日
http://current.ndl.go.jp/node/24854
E1064 – スミソニアン協会,資料デジタル化についての戦略文書を公表
カレントアウェアネス-E No.173 2010年6月24日
http://current.ndl.go.jp/e1064