2015年4月30日に発表されたElsevier社の新ポリシーに対して、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)やSPARCなど、5月20日時点で23の機関が反対を表明しています。このポリシーは、オープンアクセスの世界的潮流と対立し研究成果を共有する利点を減らすものであるとして、再考を強く求めています。
エルゼビア社が論文の共有を促進するとしているにもかかわらず、一部のジャーナルに4年のエンバーゴを要求していることや、著者最終版をリポジトリに登録する際にクリエイティブ・コモンズのCC BY-NC-ND(表示-非営利-改変禁止)の制約を課すことから、科学の進歩の機会を奪い、研究成果を社会に還元する妨げになるとしています。
エルゼビア社は、新ポリシーが研究機関や研究者のコミュニティから中立的で肯定的な反応を得られているとして、これらの批判を拒絶しています。
Statement against Elsevier’s sharing policy(COAR)
https://www.coar-repositories.org/activities/advocacy-leadership/petition-against-elseviers-sharing-policy/
New Policy from Elsevier impedes Open Access and Sharing(COAR、2015/05/20)
https://www.coar-repositories.org/news-media/new-policy-from-elsevier-impedes-open-access-and-sharing/
COAR-recting the record(elsevier connect、2015/05/21)
http://www.elsevier.com/connect/coar-recting-the-record
エルゼビア社の共有ポリシーへの反対声明に署名しました(機関リポジトリ推進委員会、2015/05/26)
https://ir-suishin.repo.nii.ac.jp/?page_id=31#_href_179
※内容を追加しました(2015年5月28日)
参考:
Elsevier社がセルフアーカイビング等に関する新たなポリシーを発表
Posted 2015年5月12日
http://current.ndl.go.jp/node/28452