Elsevier社がセルフアーカイビング等に関する新たなポリシーを発表

2015年4月30日、Elsevier社は同社の雑誌掲載論文のセルフアーカイビング等に関する新たなポリシーを発表しました。

新たなポリシーでは従来、一つにまとめられていたセルフアーカイビングや論文の共有に関する方針を著者に向けた”Sharing”とホスティングサービスに向けた”Hosting”の二つに分けています。また、以前のポリシーでは機関によるオープンアクセス義務化方針に基づいて論文をセルフアーカイブする場合と著者が自主的に行う場合でセルフアーカイブを認めるまでの期間(エンバーゴ)が異なっていましたが、新ポリシーでは義務化の有無に関わらず、雑誌ごとにエンバーゴ期間が定められています。そのほかに従来は著者最終版の登録のみが認められていた博士論文として機関等に提出された論文について、出版者版を機関リポジトリに掲載すること等が認められています。

一方、新ポリシーではエンバーゴ期間中は著者最終版であっても機関リポジトリで公開できない(学内のみでの共有は可)とされている等、Sharingポリシーとは名ばかりで、オープンアクセスからの後退であるという批判もなされています。

Unleashing the power of academic sharing(Elsevier Connect、2015/4/30付け)
http://www.elsevier.com/connect/elsevier-updates-its-policies-perspectives-and-services-on-article-sharing

Sharing(Elsevier)
http://www.elsevier.com/about/policies/article-posting-policy

Hosting(Elsevier)
http://www.elsevier.com/about/policies/hosting

Sharing and Hosting Policy FAQ(Elsevier)
http://www.elsevier.com/about/policies/policy-faq

Journal Specific Embargo Periods 2015(Elsevier)
http://www.elsevier.com/__data/assets/pdf_file/0018/121293/external-embargo-list.pdf

Stepping back from sharing(Scholarly Communications @ Duke、2015/5/4付け)
https://blogs.library.duke.edu/scholcomm/2015/05/04/stepping-back-from-sharing/