若者は公共図書館とどう関わり、その役割をどう認識しているのか?Pew Research Centerの調査結果より(米国)

2014年9月10日、米国調査機関Pew Research CenterのPew Internet & American Life Projectが、若者と公共図書館について分析したレポート“Younger Americans and Public Libraries: How those under 30 engage with libraries and think about libraries’ role in their lives and communities”を公表しました。

このレポートは、米国民のうち、16歳から29歳までの若者に注目し、過去に16歳以上を対象に行われた3つの調査結果を分析したものとのことです。主に、2013年秋に実施され、2014年3月に“From Distant Admirers to Library Lovers–and beyond”としてレポートが公開された調査から、また、2013年1月22に公開された“Library Services in the Digital Age”、2012年4月4日に公開された“The rise of e-reading”の調査結果を対象にしているとのことです。

若者は読書傾向や図書館利用のパターン、図書館への意識により、高校生(16~17歳)、大学生(18歳~24歳)、第3世代(25~29歳)の3つの世代に分けられるとのことです。

サマリーでは、
・技術の恩恵にも関わらず、30歳未満の米国民の62%は“有用で重要な情報はインターネット上では得られない”と考えており、これは、より年配の米国民(53%)よりも、高い比率である。
・同時に、79%が、インターネットにアクセスできない人々は現実的に不利益を被るとも考えている。
・過去1年間に本を1冊読んだ割合は、30歳未満は88%、30歳以上は79%。
・2013年9月の調査では、過去1年間に図書館や移動図書館を利用したことがあるのは、30歳未満では50%、30歳以上では47%。
・同時期に図書館のウェブサイトを利用したことがあるのは、30歳未満では36%、30歳以上では28%。
・図書館が閉鎖した場合に、自身や家族に重大な影響があるとする回答は30歳未満では19%、30歳以上では32%。
・図書館が閉鎖した場合に、コミュニティに重大な影響があるとする回答は30歳未満では51%、30歳以上では67%。
などの結果が紹介されています。

“Younger Americans and Public Libraries: How those under 30 engage with libraries and think about libraries’ role in their lives and communities”(Pew Research Center, 2014/9/10)
http://www.pewinternet.org/2014/09/10/younger-americans-and-public-libraries/

“Younger Americans and Public Libraries: How those under 30 engage with libraries and think about libraries’ role in their lives and communities”(PDF:32ページ)
http://www.pewinternet.org/files/2014/09/PI_YoungerAmericansandLibraries_091014.pdf

参考:
E1551 – 公共図書館との関係性に基づく米国民の類型
カレントアウェアネス-E
No.257 2014.04.10
http://current.ndl.go.jp/e1551

E1288 – 米国の電子書籍の利用と読書習慣に関する調査レポート
カレントアウェアネス-E
No.214 2012.04.26
http://current.ndl.go.jp/e1288

Pew Research Center、デジタル時代における図書館サービスに関するアンケート調査結果を公表
Posted 2013年1月22日
http://current.ndl.go.jp/node/22753