米国図書館協会(ALA)、学校と公共図書館におけるCIPAの影響についてのレポートを公開

2014年6月11日、米国図書館協会(ALA)によるレポート“Fencing Out Knowledge: Impacts of the Children’s Internet Protection Act 10 Years Later”が公開されました。子どもをインターネットから保護する法律(CIPA)の2000年の成立、2003年の合憲判決から10年以上経過した現在の、学校と公共図書館における同法の影響について評価するレポートとのことです。

このレポートでは、ALAの情報技術政策局(OITP)、知的自由局(OIF)がGoogle社の支援を受けて、
・公共図書館と学校におけるインターネットフィルタリングの影響
・禁止されたコンテンツから子どもを保護するための政策としてのCIPAの有効性
・21世紀に向けた教育的、社会的目標の達成におけるCIPAのより広範囲な影響
について検討した結果がまとめられているとのことです。

レポートでは、図書館におけるフィルタリングが利用者ニーズを満たしていないこと、学校におけるフィルタリングがCIPAが定めるものよりも過剰に行われていること、CIPAの影響が不均衡であること、過剰なフィルタリングに替わるものとしてのデジタルリテラシーとデジタルインクルージョンなどが主要な論点として検討されているようです。

Fencing Out Knowledge: Impacts of the Children’s Internet Protection Act 10 Years Later(PDF;36ページ)
http://www.ala.org/offices/sites/ala.org.offices/files/content/oitp/publications/issuebriefs/cipa_report.pdf

Over-filtering in schools and libraries harms education, new ALA report finds(ALA, 2014/6/11付)
http://www.ala.org/news/press-releases/2014/06/over-filtering-schools-and-libraries-harms-education-new-ala-report-finds

参考:
1.2.3 知的自由に関する法の動向 ~ 愛国者法、CIPA、COPA、DOPA ~(図書館研究シリーズ No.40 米国の図書館事情2007-2006年度)
http://current.ndl.go.jp/node/14428

E499 – 米国でのインターネット・フィルタリングの現状 <文献紹介>
カレントアウェアネス-E No.84 2006.06.07
http://current.ndl.go.jp/e499

CA1572 – 「子どもをインターネットから保護する法律」合憲判決と図書館への影響 / 高鍬裕樹
カレントアウェアネス No.286 2005.12.20
http://current.ndl.go.jp/ca1572