市場調査会社であるSimba Informationが、人文社会系出版市場に関する国際的な市場調査の結果(”Global Social Science and Humanities Publishing 2013-2014”)を刊行しました。同調査の内容について、2014年1月13日付けのSTM Publishing Newsで報じられています。
同調査によれば、2012年を通じて人文社会系の出版市場は縮小傾向にあり、2010年以来販売規模は毎年2.5%ずつ減っているとのことです。その理由について、同調査では人文社会系出版の主たる顧客である大学図書館が、科学、技術、医学(STM)分野の雑誌の値上がりに対応するために、人文社会系の出版物に回す予算を削っていることを挙げています。また、オープンアクセス運動についても同調査では言及しており、人文社会系とSTM分野では出版物の価格も助成状況も利用のされ方も異なるにも関わらず、オープンアクセスに関わる議論はSTM分野がリードしがちであること等が指摘されています。
なお、調査結果本文は有料です。
Global Social Science and Humanities Publishing 2013-2014(Market Research.com)
http://www.marketresearch.com/Simba-Information-Reports-v3481/Global-Social-Science-Humanities-Publishing-7935107/
Social Science, Humanities Publishing Squeezed by Global Emphasis on Scientific, Medical R&D(STM Publishing News、2014/1/13付け)
http://www.stm-publishing.com/social-science-humanities-publishing-squeezed-by-global-emphasis-on-scientific-medical-rd/
参考:
人文・社会科学分野の単行書のオープンアクセスに関するカンファレンスの報告書が公開
Posted 2013年10月29日
http://current.ndl.go.jp/node/23858
E1513 – OAが人文系学術書に与える影響 オランダからの報告 カレントアウェアネス-E No.250
http://current.ndl.go.jp/e1513
E1469 – SPARC Japanセミナー2013「人社系オープンアクセスの現在」 カレントアウェアネス-E No.243 2013.08.29
http://current.ndl.go.jp/e1469
E1372 – 人文・社会科学系研究者のオープンアクセスに対する意識とは カレントアウェアネス-E No.228 2012.12.13
http://current.ndl.go.jp/e1372