オープンアクセス出版物は、Google検索結果から機関リポジトリへのアクセスをほとんど引き起こさない(文献紹介)

2024年10月12日付けで、科学計量学分野の査読誌“Scientometrics”に、スペインの機関リポジトリに登録されたオープンアクセス(OA)出版物の検索における可視性等に関する論文“Open access publications drive few visits from Google Search results to institutional repositories”が掲載されています。著者は、スペイン・バレンシア工科大学のEnrique Orduña-Malea氏等です。

Googleのような検索エンジンは、機関リポジトリへの訪問につながる一方で、その検索結果の可視性が低い場合にはOA出版物が利用されにくくなる可能性があるとし、論文では、スペインの高等教育機関の機関リポジトリについて、検索エンジンによる検索結果の可視性の測定等が試みられました。21万7,589件の書誌レコードと31万6,899件の検索語から成るデータセットが用いられたとあります。

結果として、調査対象のリポジトリに登録されたレコードの多くはGoogle検索結果の上位に表示されていないこと、また、最も可視化されているレコードは、主に人文・社会科学分野のスペイン語で書かれた学術論文であることが判明したとしています。そして、出版物の発見可能性を高めるためには、スペインの機関リポジトリはGoogle検索における可視性を向上させる必要があると結論付けられています。

Orduña-Malea, E.; Font-Julián, C.I.; Serrano-Cobos, J. Open access publications drive few visits from Google Search results to institutional repositories. Scientometrics. 2024.
https://doi.org/10.1007/s11192-024-05175-0