“ウィルキン・グラフ”―他のX館が所蔵している資料をうちは何冊所蔵しているか?

米ジョージメイソン大学の歴史研究者コーエン(Daniel Cohen)氏のブログに、“Visualizing the Uniqueness, and Conformity, of Libraries”という記事が掲載されています。

この記事では、ある図書館が「(何かのグループに属する図書館のうち)X館が所蔵している資料を、Y冊所蔵している」というデータを、Xを横軸、Yを縦軸にとって可視化したグラフに注目しています。

ここではグループとしてHathiTrust(参加館41)を例に挙げ、各館のグラフが基本的にはおおむね3つのタイプに分かれたとしています。すなわち、(1)右下がり、(2)山型、(3)右上がり、です。例えば(1)は、その図書館が所蔵数の少ない貴重な資料を多く持っていることを意味します。

コーエン氏は、HathiTrustのグラフを作成したHathiTrust事務局長のウィルキン(John Wilkin)氏にちなみ、この類のグラフを“Wilkin graph”と呼んでいます(その後、他のひとから“Wilkin profile”という名も提案されています)。

文末では、OCLCが、Worldcat Collection Analysis serviceというサービスで同様のグラフを提供しているという情報が掲載されています。

Visualizing the Uniqueness, and Conformity, of Libraries(Dan Cohen’s Digital Humanities Blog 2012/12/13付け記事)
http://www.dancohen.org/2012/12/13/visualizing-the-uniqueness-and-conformity-of-libraries/

WorldCat Collection Analysis(OCLC)
http://www.oclc.org/collectionanalysis/about/default.htm

参考:
CA1760 – デジタル化資料の共同リポジトリHathiTrust―図書館による協同の取り組み/ 田中 敏
http://current.ndl.go.jp/ca1760

【イベント】HathiTrustの挑戦:デジタル化資料の共有における「いま」と「これから」 (12/18・NDL東京本館)
http://current.ndl.go.jp/node/21145