2024年8月13日、図書館による出版活動を進める大学図書館のイニシアティブ“Library Publishing Coalition”(LPC)によるブログで、図書館出版の今後10年の展望(A 10-Year Vision for Library Publishing (LPForum24 Closing Plenary Reflection))が公開されました。
この展望は、5月15日と16日に米・ミネソタ大学で開催された2024 Library Publishing Forumの閉会式における参加者らによる議論をまとめたものです。今後10年の展望として、「図書館出版が指導的立場になるよう支援されること」「図書館出版が出版分野の先導者となり学術の進展を支えること」「図書館出版に十分なスタッフの配置と十分な資金の提供がなされ、今後も継続的な支援を受けることができること」などを挙げ、それぞれに関する課題と可能なアプローチについて述べています。
例えば、学生や新しいスタッフが図書館出版のスキルを身につけ経験を積む機会が限られるといった課題については、図書館情報学を専攻する学生を図書館出版につなげる、図書館出版プログラムにおける学生スタッフの採用と支援に関するベストプラクティスを開発するといったアプローチが提案されています。また、ダイヤモンドオープンアクセス(OA)への関心が高まる一方で、図書館出版がその重要なプレーヤーであるという認識が低いという課題については、ダイヤモンドOAサミットなどダイヤモンドOAをめぐる議論に参加し、図書館出版を倫理的なOA出版の持続可能なモデルとして推進する、といったアプローチが挙げられています。
A 10-Year Vision for Library Publishing (LPForum24 Closing Plenary Reflection)
(LPC, 2024/8/13)
https://librarypublishing.org/10-year-vision-for-lib-pub/
参考:
Library Publishing Coalition(LPC)、大学・研究図書館の出版活動に関するダイレクトリーの2022年版を公開 [2022年02月02日]
https://current.ndl.go.jp/car/45586
図書館による出版活動を進める大学図書館のイニシアティブ“Library Publishing Coalition”が正式に開始 [2014年07月09日]
https://current.ndl.go.jp/car/26530