国際的な図書館間貸出し(ILL)の2023年調査報告書が公開

米国図書館協会(ALA)のレファレンス・利用者サービス協会(RUSA)の部会Sharing and Transforming Access to Resources Section(STARS)に設けられている国際ILL委員会により、国際的な図書館間貸出し(ILL)に関する2023年調査報告書(2024年4月19日付け)が、ALAのウェブサイトで公開されています。

同調査は2007年に初めて実施されて以降4年ごとに実施されており、2023年調査は5回目に当たります。2023年調査はアンケート形式により世界規模で実施されました。調査に協力した国際図書館連盟(IFLA)の七つの公用言語全てで実施された初の調査とあります。

45か国から269の回答があり、報告書では結果がまとめられています。結論では、国際ILLの状況は依然として活発であるものの地域的な偏りなどが見られること、輸送コストの高騰や国際的な通関規制の複雑さなどにより物理的なアイテムの貸出しが困難な状況が続いていること、図書館がデジタル化した資料を「1部1ユーザー」の制限の下貸し出す“Controlled Digital Lending”(CDL)をILLに導入することの可能性などについても触れられています。

2023 ALA RUSA STARS International Interlibrary Loan Survey Executive Report [PDF:31ページ]
https://www.ala.org/sites/default/files/2024-05/Executive_ReportSTARS_International_ILL_2023_Survey.pdf

Sharing and Transforming Access to Resources Section(RUSA)
https://www.ala.org/rusa/sections/stars