2012年4月19日に、英国王立協会(Royal Society)が、協会所蔵のコレクションの中からイラストや挿絵等のデジタル化画像を提供するデータベース“Royal Society Picture Library”を公開しました。英国王立協会の記事では、“Royal Society Picture Library”での公開画像のエピソードとして、協会の財政を危機的状況に至らしめた、レイ(John Ray)とウィルビー(Francis Willughby)による『魚類誌』(Historia Piscium、1686年刊)を紹介しています。英国王立協会は、この『魚類誌』の出版により、ニュートンの『プリンキピア』の刊行を支援することが困難となり、危うく『プリンキピア』は世に出ることができなくなるところでしたが、ハレー(Edmund Halley)がその費用を負担することで1687年に刊行されたとのことです。“Royal Society Picture Library”では、この『魚類誌』を含め、協会の350年の歴史の中から選りすぐった画像1,000点以上を公開しています。
Royal Society Picture Library
https://pictures.royalsociety.org/home
The fishy blunder that nearly prevented Newton’s masterpiece from being published (Royal Society 2012/4/19付けの記事)
http://royalsociety.org/news/The-fishy-blunder-that-nearly-prevented-Newtons-masterpiece-from-being-published/
英国王立協会が画像ライブラリー立ち上げ、ニュートンの名著出版を脅かしたトビウオの銅版画も (AFPBB News 2012/4/20付けの記事)
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2872528/8810764
参考:
ケンブリッジ大学図書館、『プリンキピア』を含むニュートンの手稿資料をデジタル化公開
http://current.ndl.go.jp/node/19747
英国王立協会、70年以上前に発行された学術雑誌論文のデジタルアーカイブをオープンアクセスで提供
http://current.ndl.go.jp/node/19401