2023年3月15日、“Protect the Creative Economy Coalition”が結成されたことが発表されました。
発表によると、“Protect the Creative Economy Coalition”は、知的財産権と創造経済への攻撃と戦いに焦点を当てた広範な連合で、結成メンバーとして米国書店協会(ABA)、著作者団体Authors Guild、米国出版協会(AAP)、著作権同盟(Copyright Alliance)等が参加しています。
同連合の当面の優先課題は文学作品と知的財産権ライセンス契約の価値を人為的に低下させる一連の違憲な州法案に対抗することであるとしています。発表の中では連合の結成に至った著作権をめぐる動向や連合の主張などについて触れられており、例えば電子貸出に関しては、米国における図書館の電子貸出が紛れもなく好調であることやそれに伴う書店や著作権市場に対する懸念を考慮すると、州政府が米国の知的財産の価値や可能性を損なおうとすることは理解しがたいと述べられています。
Authors, Publishers, and other Copyright Businesses Join Forces to Protect the Creative Economy(Protect the Creative Economy Coalition, 2023/3/15)
https://protectthecreativeeconomy.org/authors-publishers-and-other-copyright-businesses-join-forces-to-protect-the-creative-economy/
参考:
出版社に「合理的な条件」下で図書館への電子書籍ライセンス提供を求める米・メリーランド州の法律に関し、連邦地方裁判所が違憲と判断 [2022年06月16日]
https://current.ndl.go.jp/car/46325
米・ニューヨーク州知事、出版社に「合理的な条件」下で図書館への電子書籍ライセンス提供を求める法案に拒否権を行使 [2022年01月04日]
https://current.ndl.go.jp/car/45427
米・ニューヨーク州議会で、出版社に「合理的な条件」下で図書館への電子書籍ライセンス提供を求める法案が可決 [2021年06月17日]
https://current.ndl.go.jp/car/44224
E2422 – ライセンスは誰のために:電子書籍をめぐる米国州法の動向
カレントアウェアネス-E No.420 2021.09.16
https://current.ndl.go.jp/e2422
CA2016 – 動向レビュー:“Controlled Digital Lending”を巡る動向:CDLに羽化した図書館サービス理念と米国出版界の主張 / 山本順一
カレントアウェアネス No.351 2022年03月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2016
CA1978 – 動向レビュー:米国での電子書籍貸出をめぐる議論 / 井上靖代
カレントアウェアネス No.344 2020年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1978