2022年12月14日、国際STM出版社協会が、中国科学技術協会(CAST)との共同報告書“Open Access Publishing in China 2022”を公開しました。
報告書は「世界におけるオープンアクセス」「中国におけるオープンアクセス出版」「オープンアクセス出版における研究公正」「オープンアクセス環境における協働」の4つのセクションから構成されており、世界的なオープンアクセス(OA)出版の動向について、特に中国に焦点を当ててまとめられています。
報告書によると、世界中でオープンアクセス(OA)出版が増加する中、中国でもOA出版への移行が進んでいるとあります。中国の研究者が2011年から2021年にかけて発表したOA論文数は2万5,235本から23万8,771本に増加し、年平均増加率は25.2%だったとしています。ゴールドOA論文に関しては、2011年から2021年にかけて1万4,454本(全OA論文の57.3%)から20万6,375本(全OA論文の86.4%)となり、年平均増加率は30.5%であったとしています。
OA出版の種類に関する理解に関しては、世界の研究者の62%がOA出版の種類について、また68%が利用可能なライセンスオプションについて、知らないかほとんど理解していないことが判明したとしています。中国の研究者においては対照的に、58.65%が良く理解している、十分理解していると回答していると述べられています。
New report provides insights into global OA landscape — and with a focus on China(STM, 2022/12/14)
https://www.stm-assoc.org/cast-report/
Open Access Publishing in China 2022 [PDF:103ページ]
https://www.stm-assoc.org/wp-content/uploads/CAST-STM-Open-Access-Publishing-in-China-2022-1212-English-Edition-final.pdf
参考:
ディスカバリープラットフォームDimensions、2020年1年間に世界で発表された論文のうちオープンアクセス(OA)論文の総数が非OA論文の総数を初めて上回ったことを発表 2021-03-04
https://current.ndl.go.jp/car/43446
中国におけるオープンアクセス(OA)出版(記事紹介) 2017-06-26
https://current.ndl.go.jp/car/34250
中国におけるオープンアクセスとオープンデータ(記事紹介) 2016-03-22
https://current.ndl.go.jp/car/31077
李穎, 田瑞強. オープンアクセスに関する中国の取組と科学技術雑誌の実態. カレントアウェアネス. 2017, (334), CA1909, p. 2-7.
http://current.ndl.go.jp/ca1909