米国図書館協会(ALA)、北米研究図書館協会(ARL)などによる、Googleブックス問題についての解説資料の第3弾“A Guide for the Perplexed Part III”が公表されています(全11ページ)。内容は修正和解案についてのもので、Library Journal誌の記事に掲載された要点の概要は以下のようなものです。
●英語以外の作品について
Google社と提携している研究図書館の蔵書の約半分は英語以外の言語であるので、修正和解案の対象となりフルテキストサービスが提供される資料は半減することになる。しかし、和解対象外の作品についても、スニペット表示のためのスキャニングは継続するとしているので、新たな訴訟問題がおこる可能性がある。
●競争上の問題点について
著作権者が不明の孤児作品などの、権利者が名乗り出ない作品(unclaimed works)に関するGoogle社の優位な状況は変わっていない。
●独占禁止法の問題について
修正和解案が承認された場合でも、Google社等が独占禁止法上の問題点について免責となるわけではない。
A Guide for the Perplexed Part III: The Amended Settlement Agreement
http://wo.ala.org/gbs/wp-content/uploads/2009/11/A-Guide-for-the-Perplexed-Part-III-FINAL.pdf
ALA Issues Guide to Amended Google Agreement(2009/11/23付けLibrary Journalの記事)
http://www.libraryjournal.com/article/CA6708553.html
Google Book Search Database Halved By Removing Most Foreign Texts(2009/11/16付けLibrary Journalの記事)
http://www.libraryjournal.com/article/CA6707253.html
参考:
ARLとALA、Google Book Search合意を図書館向けに解説した資料を公開
http://current.ndl.go.jp/node/9366
ALA・ARLなどによる、Googleブック検索についての解説資料の第2弾が公表
http://current.ndl.go.jp/node/13286