CA836 – 調査研究プロジェクト始まる / 村木榮四郎

カレントアウェアネス
No.158 1992.10.20


CA836

調査研究プロジェクト始まる

国立国会図書館の図書館研究所では,かねてから本来の業務の一つである調査研究プロジェクト開始の準備作業を進めていたが,7月に,研究企画会議,研究委員の発令など体制が整ったので同プロジェクトを実施に移すことにした。当面は次の2つのテーマで調査研究を行う。

(1) 主題情報の組織化とユーザー・インターフェイス:OPACやCD-PACの出現によって,書誌データベースに直接アクセスすることが出来なかったユーザーにも,的確で迅速な検索が可能となった。しかし,そこに収録されるデータと検索システムの双方に,なお改善の余地があるといわれている。

この研究では,機械可読の検索媒体のうち,もっとも調査の容易なOPACを中心に,主題情報の組織化とユーザー・インターフェイスについて検討する。

(2) 国内における科学技術文献の資源配置と供給システムの実態調査:国内において科学技術文献を大量に収集し,提供している機関としては,NDL以外にJICSTや,国立大学図書館の拠点館等があり,それぞれの方法で文献の供給を行っている。

当館の来館利用者サービスや郵送複写サービスにおいて,2分の1以上を占める科学技術分野を対象として,国内の主要な諸機関の資源配置と供給システムの実態を調査するとともに,当館の利用実態の評価と供給システムの問題点を比較・検討し科学技術文献の整備・保管と文献提供業務改善の参考とする。

今後,1)電子的情報資源による図書館サービス,2)資料共同保存利用システム,3)不特定多数を対象とする図書館における利用者ガイダンス,等のテーマによりこのプロジェクトを推進することになっている。また,これらの調査研究の成果については,刊行物にして発表する予定である。

村木榮四郎(むらきえいしろう)