CA1134 – LCサイズ別配架を検討中 / 加藤登茂子

カレントアウェアネス
No.215 1997.07.20


CA1134

LCサイズ別配架を検討中

「ワシントンポスト」紙と「ライブラリージャーナル」誌は,米国議会図書館が深刻化する書庫のスペース不足問題に対応するため,現行の主題に基づく移動式排架法からサイズによる固定式排架法への転換を検討中であると伝えている。この方式を採用すれば,資料のサイズに合わせた書架割りが可能となり,大幅なスペース節約が実現できるとされる。

この大きな利点にもかかわらずサイズによる排架は,現在のところ一般的には受け入れられていない。それはこの方式の持つ幾つかの欠点のためであるが,大きくまとめると以下のようになる。1)主題別分類の持つ体系性が失われる 2)従って検索のためには効果的なOPACの開発と利用が不可欠になる 3)資料の再配架に人手と時間がかかる。またワシントンポスト紙は,根本的な問題として,サイズによる排架を行っても,紙媒体を用いる限り書庫が満杯になる事態は避けられないということも指摘している。

加藤 登茂子(かとうともこ)

Ref: Library Journal 122 (6) 22-24, 1997
Washington Post 1997. 2. 20