特集にあたって−これからの図書館の在り方を求めて / 土屋紀義

カレントアウェアネス
No.257 2001.01.20


特集にあたって――これからの図書館の在り方を求めて

本号は「21世紀の図書館を支える人々」という特集を組んだ。時あたかも21世紀の初めにあたって,図書館をめぐる環境は急速に変化しようとしている。この動きに対し,図書館はどのように対応すべきなのか。いま,様々な場面で,具体的な動きが始まっている。

図書館における人の問題を考える場合,重要な論点の一つが,現職者の業務能力をいかにしてレベルアップするかということである。国立国会図書館でも,関西館開館を契機に,各種図書館の職員に対する研修の充実を図るべく準備に取組んでいる。2000年6月刊行の調査報告書『都道府県立及び政令指定都市立図書館における研修のニーズと実態』はその一端である。

日本図書館協会では,中堅職員向け研修を2000年11月から開始した。米国図書館協会は1999年春,専門職教育に関する会議(Congress on Professional Education)を立ち上げ,2000年11月には,継続的専門職研修(continuing professional development)をテーマとした第2回会議が開催されている。

本特集では,研修の問題を含め,図書館の職員やボランティアなど,図書館を支える「人」をめぐる動向を紹介していくことによって,今後の図書館の方向性を見通すことを目指した。

図書館研究所長 土屋 紀義(つちやのりよし)