カレントアウェアネス-E
No.111 2007.08.08
E676
Google Book Search, 日本へ本格進出
2007年7月,Google Book Search(E340,E543参照)に日本語版「Googleブック検索」が登場した。日本語版の開発は2006年5月から取り組まれており,国内の出版社へ協力を呼びかけるなど,準備が進んでいた。Googleブック検索の登場により,日本語を母語とする利用者は今後増えていくと思われる。
さらに,Googleブック検索登場から間もない2007年7月6日,慶応義塾の創立150年記念事業の一環として,慶応義塾図書館がGoogleブック検索に参加し,協同で蔵書のデジタル化,公開を行う旨を表明した。日本はもちろんのこと,北米・ヨーロッパ以外からの参加は,公式には今回が初めてである。発表によると,蔵書のうち和装本を含む,著作権保護期間が満了した約12万冊をデジタル化し,随時公開していくとのことである。Googleブック検索への参加は,慶応義塾にとっては,近年力を入れている「デジタル時代の知の構築」を促進し,慶応義塾図書館にとっては,来館型/非来館型の双方を視野に入れたハイブリッド型図書館サービスと,インターネットとの融合性を高めた次世代図書館システムの構築に資するものとして期待されている。
また,Googleブック検索で全文提供しているパブリックドメインの書籍について,テキスト形式でも表示する機能が取り入れられた。これにより,画面読み上げソフト(スクリーンリーダー)や点字ディスプレイでも書籍を利用することが可能となった。「世界中の情報を組織し,それを普遍的にアクセス可能にして役立てること」という自らのミッションに従い,Googleは日々利用者を増やす試みを続けている。
Ref:
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006242735/
http://books.google.co.jp/
http://www.keio.ac.jp/pressrelease/070706.pdf
http://www.google.co.jp/press/pressrel/20070706.html
CA1564
E340
E543