カレントアウェアネス・ポータルは、図書館界、図書館情報学に関する最新の情報をお知らせする、国立国会図書館のサイトです。

CA1637 - 日本における漫画の保存と利用 / 内記 稔夫,秋田 孝宏

PDFファイルはこちら

カレントアウェアネス
No.293 2007年9月20日

 

CA1637

 

日本における漫画の保存と利用

 

1.漫画保存の必要性の増大

 漫画やアニメが「世界に冠たる日本の文化」といわれて久しい。中でも「漫画」は,今や「MANGA」という国際語になっている。海外から高い評価を得てから国内でも見直されるという現象は,江戸時代の浮世絵の海外流出とよく似ている。海外からの評価は別にしても,漫画はその時代を反映する表現として次世代へ伝えてゆくべきものであり,そのためには当然,十全に保存されなければならない。

 漫画の進化発展は目覚ましく,終戦直後の物資の無い時代に出版されたいわゆる赤本漫画は,玉石混淆で粗末な製本と安易な内容のものもあったが,手塚治虫作品に代表される素晴らしい作品も多数出版されていた。その後の1950年代半ばから出始めた貸本漫画にも玉石混淆の状況が受け継がれ,ここからも後に大家といわれる漫画家が大勢デビューしている。例えば,さいとう・たかをや白土三平,水木しげる,「劇画」(1)の名付け親である辰巳ヨシヒロなど,また少女マンガでは,わたなべまさこ,牧美也子などである。貸本漫画の後期(1960年代半ば)には,本宮ひろ志,池上遼一などもデビューするなど,枚挙にいとまがない。しかしこの時代,漫画は子供のものとされ,ある年齢に達したら卒業するものとも言われていた。また漫画は低俗なものと見なされ,悪書追放運動の槍玉に何度も挙げられているのである。それでも大勢の熱心な漫画ファンに支持され,読者層の拡大とジャンルの多様化を見せながら発展してきたのである。

 このように歴史を重ねてきた漫画であるが,近年特に研究が盛んになり,2001年7月には日本マンガ学会(2)の設立をみた。各大学においても漫画学部や漫画学科の設置が相次ぎ,各地に漫画関連施設,漫画家の記念館や漫画美術館なども創設されている。そのほか漫画に関する講座やシンポジウムも盛んに開催されるなど,漫画に対する人々の関心は高まり続けている。

 また漫画の研究・評論書などの出版も盛んな一方,漫画は日常生活にも溶け込み,人々の生活の一部にさえなっている。公共のパンフレットやポスター,会社の社史,郷土の歴史などにも漫画が使われ,パチンコやパチスロでも漫画のキャラクターが大活躍をしている。日本の社会に漫画が受け入れられている状況,特に銀行のATMにも漫画が使われていたりするのは,外国人には珍しい光景として写っているという。

 研究の素材としてはもちろん,著作権が注目されている昨今,盗作や模倣作品の判断を下す手掛かりとするためにも,漫画資料の保存が重要になるのだが,長い間漫画は「低俗なもの,単なる娯楽」と位置付けられていたため,計画的かつ体系的な収集保存がなされていないのが実情である。

 そこで次章では,全国各地における漫画関連施設の実情を明らかにする。

 

2.漫画保存・利用の現状とこれまでの取り組み

 漫画(雑誌,単行本)の保存・利用がなされている施設には,以下のようなものがある。

  • ◎現代マンガ図書館(内記コレクション)(3)

     1978年11月設立。1955年秋に開業した貸本屋「山吹文庫」で貸本に供された漫画が基になった。当時漫画評論等で活躍した石子順造氏が提唱していた「漫画は保存されるべきである」という言葉に賛同した人々の協力で,新築間もないビルの一部屋でオープンした。蔵書は全国の協力者から寄せられたものも含め3万冊から始まり,現在では,雑誌,単行本,アニメ雑誌,関連書籍などで18万冊を優に超える。漫画に関する様々な活動にも資料を提供している。

  • ◎京都国際マンガミュージアム(4)

     2006年11月開館。京都市と京都精華大学が運営し,蔵書約20万冊。

     漫画資料を保存,公開,展示するほか,漫画関連講座やシンポジウムなどを開催している。各階の廊下には「マンガの壁」と呼ばれる書架が設けられ,約5万冊が開架で自由に閲覧出来る。貴重書は地下の書庫に保存され,今後有料で閲覧可能になる予定である。

  • ◎大阪府立国際児童文学館(5)

     古い少年少女雑誌の蔵書が充実しており,別冊付録漫画もかなりの数が保存されている。ただし最近の単行本は閲覧と貸出のためか傷みが目立つ。

  • ◎吉備川上ふれあい漫画美術館(岡山県高梁市)(6)

     1989年郷土資料館にて開館,1994年4月全面オープン。

     約12万冊の蔵書を有し,読書コーナーで約6万冊の閲覧が可能で,残る6万冊は書庫に保管されている。昭和30年代後半の貸本漫画も所蔵する。

  • ◎上湧別町漫画美術館(北海道)

     吉備川上ふれあい漫画美術館とほぼ同時期に開館。蔵書は約5万冊で,隣の図書館で2,000冊ほどを閲覧のみで公開している。貸出は行っていない。また貴重資料や雑誌の一部はガラスケースで展示している。

  • ◎広島市まんが図書館(7)

     1997年5月開館。蔵書約10万冊。漫画専門の公共図書館で,館外貸出も行なっている。ただし貴重資料は一部ガラスケースに入れて展示している。

     付属施設として,まんが図書館あさ閲覧室(8)は,約5万冊の蔵書を持つ。閲覧と貸出を行っている。

  • ◎菊陽町図書館(熊本県菊池郡)(9)

     一般的な公共図書館であるが,明治時代から昭和30年代まで約3,000冊もの村崎修三氏の少女雑誌コレクション(10)が所蔵され,これを元に季節に合わせた表紙の展示を行なっている。また貸本少女漫画を約100冊所蔵している。

  • ◎名古屋市図書館(11)

     名古屋市天白図書館は1978年の開館当時,漫画の蔵書が多い公共図書館として話題になったが,現在の漫画の蔵書は約4,500冊である。西図書館は約2万冊の蔵書を持っている。最終的には鶴舞中央図書館に集め,各1冊づつ保存している。

  • ◎中目黒駅前図書館(東京都目黒区)(12)

     1978年開館。こちらも天白図書館同様に漫画の多さで有名だったが,3・4年前から漫画とCDは購入しなくなった。それでも現在も約2万冊の漫画を所蔵している。

  • ◎国立国会図書館(13)

     国立国会図書館法第25条1項の規定に基づき,当然のことながら出版された漫画は納本され,その全てが保存されている筈である。したがって漫画の保存の必要性が話題となると,「国会図書館が保存しているでしょう」という返事がよく返ってくる。しかし,貸本漫画などは一部の出版社に偏っている。これは納本を間接強制する制度(国立国会図書館法第25条の2)が存在するものの,納本制度そのものが全ての出版社に浸透しているわけではないためと推察される。またカバーやケースは破棄され,コミック本は白っぽい表紙の中身だけが保存されていて,カバーやケースを含めた本自体が作品である漫画文化の保存には相応しくない。早急の改善が望まれる。

  • ◎国立国会国際子ども図書館(台東区上野)(14)

     2000年に一部開館,2002年5月全館オープン。

     国立国会図書館から児童書と学年誌,それに一部の漫画を移動したそうだが,漫画は9,270件所蔵している。漫画を一括して調べたい者にとっては,不便になったのではないだろうか。

 他にも近代漫画の先駆者である北沢楽天にちなんで開館したさいたま市立漫画会館(15),宝塚市手塚治虫記念館(16),あるいは川崎市市民ミュージアム(17)に代表されるように,美術館や漫画家の名前を冠した記念館が各地に多数存在するが,その漫画家の遺品や著書あるいは原画の保存などが主たる目的で,漫画全般の保存を意図していなかったり,利用に手続きが必要であるなどの事情があるので割愛した。それにしても漫画大国といわれている割に貧弱な保存状況であるとつくづく感じている。

 

3.問題点

民間施設による収集・保存の困難さ

 現代マンガ図書館が1978年の開館の際マスコミに盛んに取り上げられた影響か,その翌年には名古屋にも漫画図書館がオープン。それからは雨後の筍の様に,奈良,金沢,大阪,福岡と各地に私設の漫画図書館が現れたが,何れも単なる漫画喫茶に等しいもので,保存が目的のところは皆無であり,蔵書目録の備えもないので「図書館」と名乗る資格はないものだった。その後10数年でほとんどの所は連絡が取れなくなり,撤退してしまった様である。

 現存している現代マンガ図書館でさえ漫画喫茶の乱立で利用者が激減し,その上図書館としての公共性とブックオフの様な新古本屋の影響もあって高額な利用料金も取れず,赤字経営が続いているが,かろうじて漫画研究者や熱心な漫画フアンによる会費収入と一般読者や一部の漫画家,理解ある出版社の寄贈本に支えられて継続しているのが実情である。

 なお前出の公共施設にしても基は個人コレクションであったところが多く,例えば,菊陽町図書館は,村崎修三氏の少女雑誌のコレクションであり,大阪府立国際児童文学館の貴重なものは児童文学研究者の鳥越信氏のコレクション。京都国際マンガミュージアムの蔵書の中心は漫画研究者の清水勲氏の個人蔵書であり,漫画の壁を飾っている漫画は,永年貸本屋を営んできた的場剛氏の蔵書なのである。

 1989年に当時の大宮市で漫画ミュージアム設立の話があり,シンポジウムが開かれた。席上で筆者は「建物が出来てからでは遅いので,今から資料の収集を始めてください」と意見を述べたが,未だに実現されていないのが残念でならない。また数年前に早稲田大学で「漫画文庫」を創るとの情報を得て,担当者と会見したが,今のコミックスは集めず古い雑誌や漫画,それに早大卒業生の漫画家の原稿などを中心に集める考えだそうである。現在売られている漫画本も雑誌も数年後,数十年後には入手困難な貴重本になり得るし,系統立てて収集していかなければ意味がなくなるのである。国立国会図書館の蔵書のように,カバーやケースが破棄され,中身だけが保存されているコミック本では,漫画文化の保存には相応しくない。個人コレクターの貴重な蔵書も,本人が亡くなると遺族により売却され,散逸してしまう例もある。公共で完全な保存施設の創設が早急にのぞまれる。

 

膨大な資料

 漫画が出版全体に締める割合は,販売部数で3分の1,販売金額で4分の1くらいだといわれている。2006年の統計では,出版全体の推定販売部数は345,423万部,推定販売金額は21,525.4億円のところ,漫画の推定販売部数は126,841万部,推定販売金額は4,810億円である(18)。販売部数ベースで漫画は出版全体の販売部数で約36.7パーセント,販売金額では約22.3パーセントと,ほぼ例年どおりの比率であるといえる。

 日本十進分類法で漫画を分類すると,大半は726.1に分類されるが,913.6に分類される「近代日本文学」と同様に,漫画はそのような小さな分類に押し込まれるには大きくなりすぎ,出版を支える柱の一本にまで成長している。それだけ作品の量も質も,扱うテーマも幅広くなっている。漫画を図書館コレクションとして収集するならば,スペースや予算などといった,通常気を配らなければならない要件以外に,漫画以外に主な担当を持つ者が,安易な考えで片手間に担当するような意識があるならばきっぱりと捨てて,漫画の専門知識を身に付けた司書を養成する必要がある。漫画の歴史を振り返れば,現在主流のストーリー漫画に限っても,漫画が子どもの読み物ばかりでなくなってからほぼ40年。手塚治虫のデビューから約60年の歴史をすでに蓄積している。さらに広い意味で漫画をとらえれば,幕末・明治維新期や,江戸時代初期,さらに平安時代末期の「鳥獣戯画」,正倉院御物の中の落書き,果ては銅鐸の表面の絵や洞窟壁画まで,漫画の歴史の始まりは際限なく広がる。例えばこのようなことを理解し,適切に処理する必要がある。

 また,古い漫画資料の収集には非常な困難がともなう。これは漫画がもともと読み捨てられるものだったことが大きな理由であるが,中でも雑誌はこの傾向が特に強い。また,貸本漫画は比較的丈夫に作られているが,貸本屋で何十回も貸し出されることを目的とした消耗品であり,傷みもひどく,処分されてしまうことが多かったため,残っている資料は少ない。特別に人気のある作品でなければ,基本的な作品であっても,必要とするすべての館が入手するのは不可能である。そして,これらの作品の原画はほとんど残っていない。印刷の質が悪い刊行物も多く,その刊行物からの製版では絵が荒れて,良い画質で復刻ができない作品がほとんどである。これは基本的に絵を読む漫画にとっては致命的である。

 

資料の脆弱性

 先に述べたとおり,ほとんどの漫画は読み捨てられるため,保存を考慮した製本はなされていなかった。特に雑誌は簡易な製本の上に,質の悪い紙が使われていることが多い。また昔の少年誌,少女誌は,分厚い方が売れたので,分厚く,質が悪く,ゴワゴワした紙が使われた。その上,酸性紙であったので,さらに保存性が良くない。

 最近は上製本の漫画も発行されているが,基本的な状況に変化はなく,ほとんどの漫画は壊れやすい,脆弱な製本で発行されている。したがって,漫画を保存することを考えた場合,以下のことを心得なければならない。

  • 基本的に漫画本は貸出には不向きである。
  • 閲覧のみであっても取り扱いには十分な注意が払われなければならない。

 これらを念頭に置いた漫画の最も良い収集法は,一つの資料につき,閲覧・貸出用とは別に,保存用の複本を準備することであるが,これは予算や保存スペースなどの問題から現実的ではない。また古い資料の収集の難しさ,非常に壊れやすく扱いの難しいことを考えても,上述した2つの心得は重要であるといえる。

 

雑誌の所蔵事項の問題

 現在,漫画作品のほとんどは,まず雑誌に掲載され,10話分程度の原稿がたまった時点で,一般的に「単行本」と呼ばれる形態にまとめられる。つまり,漫画作品がどのような状況や形態で発表され,掲載順や作品に付随する広報や読者投稿などを通じて発表当時の評価を推測するなど,初出時のことを知ろうと思えば,掲載当時の雑誌にあたる必要があり,そして多くの場合,国立国会図書館などの図書館で雑誌のバックナンバーを閲覧することになる。この時,バックナンバー調査の問題となるのが,図書館の所蔵事項のとり方である。

 『日本目録規則』(1987年版改訂3版)によると,継続資料の所蔵事項は巻号(以下,『日本目録規則』に従い「巻次」と記載する),月日号(以下,同様に「年月次」と記載)の順序で表示されることになっている(19)。従って,図書館で雑誌の所蔵状況を検索すると,まず巻次が表示される。しかし漫画雑誌を利用しようとする人のどれほどが,この巻次表記で雑誌を特定しているだろうか。図書館の仕組みに詳しい人ならば,図書館では巻次を手がかりに目的の雑誌を探す術を心得ているだろうが,そのような人であっても通常は巻次ではなく,表紙,背表紙,裏表紙などに記されている「○○年○月○日号」といった年月日表記,あるいはこれらの場所のどこかに比較的大きな文字で書かれていることが多い「○号」,ないしは「○○年夏号」という表記を用いている。だが,年月日や「○号」,「○○年夏号」といった表示は,図書館の提供する所蔵情報では補助的で分かりにくく表示されていたり,図書館によっては全く表示されないこともある。

 年月次が使われるのは,単に表紙などに大きく書かれていて目立つからではない。巻次表記では,本誌だけでなく,増刊号が発行されれば,その増刊号も含んでカウントされる場合が多い。ところが年月次は,基本的に本誌ならば本誌だけをカウントすることになるので,増刊号がなければ対応している筈である巻次の「第○号」と年月次の「○号」の数字に,ズレが生じることになる(20)。一方,漫画雑誌に掲載される作品の多くは連載されている。連載作品は本誌なら本誌で,増刊号ならば増刊号で連載を重ねていくことになる。本誌と増刊号の両方を含んでカウントする巻号表記では,掲載期間を表記するとき,また別の作品(特に掲載誌が違う作品)と比較する必要があるときなど直感的に判断することが困難になるという問題がある。本誌と増刊号は掲載作品が違うので,基本的に別雑誌とみなしうる場合が多く,したがって,本誌と増刊号を別系統の号数で表記できる年月次を用いるのが合理的となる。現在の漫画の研究・評論書,事典,あるいは一般的な紹介記事まで,ほぼ年月次が用いられているのである。

 少なくとも漫画を本格的に収集し,利用に供する場合,年月次から簡単に調べられるようにし,また極力こちらを基本とする必要がある。特に後述する漫画専門図書館を設立する場合,この所蔵事項の処理は重要な検討事項の一つとなる。

 

4.これから望まれる取り組み

 上述した通り,今後多くの図書館が漫画の収集に努めたとしても,古い作品が収集困難であったり,資料自体の脆弱性から,利用と保存を両立させることが難しく,また独特の対応が必要な問題もある。これらのことを解決するために,漫画専門の保存図書館を設立し,漫画を収集・保存し,活用する拠点とすることが望まれる。

 現在でも,その機能を果たす可能性がある施設が数か所存在する。現代マンガ図書館,京都国際マンガミュージアム,川崎市市民ミュージアム,大阪府立国際児童文学館などである。もちろん国立国会図書館も含まれるがそれぞれに一長一短がある。新たに理想的な施設を作ることができれば良いが,いまだに漫画への偏見が残っていることや,設立に必要な多額の資金など,いくつもの高いハードルが存在し簡単ではない。

 現実的な方法としては,複数の漫画保存施設でネットワークを作り,収集・保存の分担を行うことである。一つ一つの館では,漫画全体をカバーすることや,理想的に保存することが難しいので,情報を共有し,少しずつ重なる部分をもたせながら,各館ごとに最も重点を置く分野を分担する方法である。

 災害列島であるわが国の状況を考えると,複数の施設での漫画資料の保存は,是非実現させたい。あまりあちこちで分けて保存すると,利用者が使いにくいという意見があるかもしれない。しかし,失われやすい漫画資料を確実に保存するためには,これが現在とりうる最良の手段ではないかと考える。

 また,このような漫画専門館のネットワークを拠点として,漫画資料のデジタル化も望まれる。これまで漫画は本の形で提供され,見開きやページなどの本の機能をもとにした表現を発展させてきた。したがって,本以外のメディアに移されたとき,本来の楽しみ方ができなくなるので,なるべくならば本を保存し,いつでも本で鑑賞できるのが理想である。だが漫画の本は壊れやすく,古い漫画の中には,すでにページをめくることすら困難な状態になっているものもある。したがって次善の策ではあるが,作品を残す手段として漫画資料をデジタル化する必要があるだろう。もちろん,本の形でも保存する努力は続けなければならない。

 漫画資料の収集・保存に関する問題は,今回論じた事項にとどまるものではない。こわれやすい資料の修復や,さらに後世に作品を伝えるための次善の策としてのデジタル化,漫画原画の保存,著作権を管理するためのシステムの構築などの多くの大きな問題を解決するためにも,なんらかの形で漫画の保存を目的とした施設の設立が望まれているのである。

現代マンガ図書館:内記稔夫(ないき としお)
日本マンガ学会:秋田孝宏(あきた たかひろ)

 

(1) 劇画. 辰巳ヨシヒロやさいとう・たかをなどの貸本漫画を描いていたグループによって提唱された漫画の一種で,発表媒体や読者対象,よりストーリーを重視し笑いの要素を必須としなかったり,絵がリアルになるなどの特徴がある。

(2) 日本マンガ学会. “日本マンガ学会@Internet”. http://www.kyoto-seika.ac.jp/hyogen/manga-gakkai.html, (参照 2007-07-20).

(3) “現代マンガ図書館”. http://www.naiki-collection.jp/, (参照 2007-07-20).

(4) “京都国際マンガミュージアム”. http://www.kyotomm.com/, (参照 2007-07-20).

(5) “大阪府立国際児童文学館”. http://www.iiclo.or.jp/, (参照 2007-07-20).

(6) 高梁市吉備川上ふれあい漫画美術館. “吉備川上ふれあい漫画美術館(公式HP)”. http://www.kawakami.city.takahashi.okayama.jp/manga/index.html, (参照 2007-07-20).

(7) 広島市立図書館. “まんが図書館”. http://www.library.city.hiroshima.jp/library/manga/index.html, (参照 2007-07-20).

(8) 広島市立図書館. “まんが図書館あさ閲覧室”. http://www.library.city.hiroshima.jp/library/manga_asa/index.html, (参照 2007-07-20).

(9) 菊陽町図書館. “菊陽町図書館ホームページへようこそ!”. http://www.kikuyo-lib.jp/, (参照 2007-07-20).

(10) 菊陽町図書館. “明治〜昭和 少女雑誌のご紹介”. http://www.kikuyo-lib.jp/08_menu.htm, (参照 2007-07-20).

(11) “名古屋市図書館”. http://www.tsuruma-lib.showa.nagoya.jp/index.html, (参照 2007-07-20).

(12) 目黒区立図書館.“中目黒駅前図書館”.
http://www.meguro-library.jp/libraries/nakameguro.htm(参照 2007-08-27).
なお目黒区立図書館のウェブサイトは,次のとおり。
“目黒区立図書館”.http://www.meguro-library.jp/index.htm,(参照 2007-08-27).

(13) “国立国会図書館:National Diet Library”. http://www.ndl.go.jp/, (参照 2007-07-20).

(14) 国立国会図書館国際子ども図書館. “国際子ども図書館”. http://www.kodomo.go.jp/, (参照 2007-07-20).

(15) さいたま市. “漫画会館”. http://www.city.saitama.jp/cgi-bin/odb-get.exe?WIT_template=AC010046&WIT_oid=saitama::CommonGenre::2146&m=1&d=, (参照 2007-07-20).

(16) 宝塚市立手塚治虫記念館. “宝塚市立手塚治虫記念館へようこそ”. http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/tezuka/, (参照 2007-07-20).

(17) “川崎市市民ミュージアム”. http://www.kawasaki-museum.jp/, (参照 2007-07-20).

(18) 出版指標年報. 2007年, 全国出版協会出版科学研究所, 2007, 390p.

(19) 日本図書館協会目録委員会編. 日本目録規則. 1987年版 改訂3版, 日本図書館協会, 2006, p282-283.

(20) たとえば『なかよし』(講談社刊, 1955-)を例にとると,2006年は1月から12月まで月刊で刊行されているほか,1月,4月,8月,11月にそれぞれ増刊号が刊行されている。これら増刊号は,本誌と連続した巻号次が与えられている。

 

Ref.

秋田孝宏.特集 戦後マンガ史論をどう書くか,マンガデータベース私論. 水声通信. 2006, 2(12), p.58-61.

 


内記 稔夫,秋田 孝宏. 日本における漫画の保存と利用. カレントアウェアネス. (293), 2007, p.7-12.
http://current.ndl.go.jp/ca1637