T6 – インキュナブラ(Incunabula)

カレントアウェアネス
No.197 1996.01.20


用語解説[T6]
インキュナブラ(Incunabula)

もともとは幼年期や生誕地といった意味のラテン語であるが,図書館では15世紀,正確には1500年までに印刷された書物の総称として用いられる。日本語では揺籃期本ともいう。グーテンベルク以降の50年程のものであるが,ヨーロッパの各地で特に宗教書を中心に印刷され,その部数は1000万〜2000万点に及ぶと推計されている。なお,インキュナブラを1500年までとする理由は1643年に刊行されたHistoria Bibliothecae Reipublicae Noribergensis (Johann Saubertus著)の付録に入れられた1500年以前の図書を集めた書目によるとされている。

Ref:木寺清一 洋書事典 明治書院 1975. p.130-133