E632 – ネコのマスコットキャラクターで図書館のキャンペーン活動

カレントアウェアネス-E

No.104 2007.04.11

 

 E632

ネコのマスコットキャラクターで図書館のキャンペーン活動

 

 米国の公共図書館では,州立図書館が中心となって公共図書館の認知・利用を促進するキャンペーンを行っている。“スーパーライブラリアン”というキャラクターを産み出し盛況を博したニュージャージー州立図書館,“世界をワイオミングへ”と題するキャンペーンを展開するワイオミング州立図書館など,手間隙をかけたものがある。このたび,本土最東北部に位置するメイン州でも,新たなマスコット・キャラクターが作られ,話題となっている。

 モチーフになっているのは,同州原産のメインクーン種のネコで,名前は「バクスター(Baxter)」。1月から3月にかけて,州立図書館はこのキャラクターのネーミング・コンテストを大々的に行い,1,200もの候補の中からこの名前に決定した。ネーミングの理由は様々とのことだが,バクスター州立公園やバクスター元メイン州知事の名前を連想させる。

 ネーミング・コンテストの開始にあたり,ウォータービル図書館長のサグデン(Sarah Sugden)は,メイン州の図書館週間のイベントの中で,このネコの設定を披露している。それによれば,吹雪吹き荒れる,メイン州のある寒い冬の夜,図書館の前のサマンサ・スミスの銅像の下で図書館員の男に拾われた。男は,州内の図書館協力の担当で,ネコを連れて毎日毎日いろいろな図書館を回った。どこの図書館員も優しく,爪を研いでも良い場所を教えてくれた。男は毎晩ネコを家に連れて帰ったが,その道すがら,いろいろな図書館の話を聞かせた。このネコが,“バクスター”になったのだという。

 メイン州立図書館のウェブサイトには,キャラクターの利用規定,着ぐるみの巡回スケジュール,オンライン予約などが掲載されているほか,バクスターをあしらったポスターの雛形や写真画像もダウンロードできるようになっている。メイン州の公共図書館は,このマスコット・キャラクターを図書館のキャンペーン活動などに使うことができる。予約状況も確認できるが,9月までに15件以上の予約が入っており,既に人気者となっているようだ。

Ref:
http://www.maine.gov/msl/libs/pr/mascot/
http://www.maine.gov/msl/libs/pr/mascot/catstory.htm
http://www.reference.com/browse/wiki/Percival_P._Baxter
http://business.mainetoday.com/newsdirect/release.html?id=4099
http://www.njlibraries.org/
http://www.wyominglibraries.org/campaign.html